名刺を飛ばす人_i-900x400

僕の考える無形商材の営業のしかた

僕は証券アナリストからキャリアを始めて、戦略コンサルタント、そして今はCFO(Chief Financial Officer)をしています。営業らしい営業はしたことはありません。ただ、ヒアリングからソリューションを提供することをしてきました。

今、CFOという職ではあるのですが、その業務のひとつに、アライアンスを生むというものがあります。アライアンスを生むために、僕はオープンイノベーション系イベントに赴き、自社の売り込みをたくさんこなすことがあります。こういうとき、どうやって相手に僕らを知ってもらい、必要だと思ってもらうか、そこに勝負をかけて行っています。これも一種の営業なので、型として、noteに落とし込んでおこうと思います。

無形商材をクイックに説明する時の型を考えました

多くのかたが、セミナーや名刺交換会などで、エレベータートークのようにクイックに営業する機会があると思います。そういう時にサクッと営業することを意識していくときにに行く際に気を付けているポイントを書いてみます。

本当に営業を極めようと思えば、ものすごく奥深いと思いますが、ここでは難しすぎない程度に、僕が意識していることをまとめてみます。

特に、サービスなど無形資産を売ることを意識しています。逆に、iPhoneを売るとか、すごいブツを売ることを想定して書いているわけではなく、また僕自身も経験がないため、そういったものを想像されると違和感があるかもしれません。

基本的な戦術は常に同じで“イシューからはじめよ”

「課題×具体」→「課題×抽象」→「解決策×抽象」→「解決策×具体」の順に話はすすめます。具体的な身近な困りごとを聞き、それってこういうことですよね?それならこういう方法で解決できますね。これでこうするとできるんですよ!という流れです。

スタート地点である「課題×具体」から一直線に「課題×解決策」に飛びたくなる気持ちもあるでしょう。もちろん、それが成り立つのであればすばらしいです。けれど、そんなに相手の課題にピンポイントにあてられることが、いつもできるというわけではないでしょう。

そもそも、人は営業をしにきた誰かに対して「何か課題がありますか?」と問われたところで、あなたに営業しやすく、都合の良い課題を伝えてくれるわけではありません。「何か(僕にとって都合のよい)課題がありますか?」と聞いたところで答えてくれないでしょう。だからまずは「何でもよいので、困りごと教えてください」と、カジュアルに聞いてみるほうがよいでしょう。

その困りごとを抽象化し、その困りごとが生まれる原因、つまり課題として抽象化を行います。その課題はどう解決すればよいかを話し、最後にイメージしやすい具体例に落とし込むとよいのです。

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ヒアリングの機会があり、提案する場合

まず、ふわっとした形で先方と知り合っているとします。そこでの会話があった後で、すでにアポイントメントをもらえているなど、相手と向き合える時間が用意されている場合を考えます。

0. どういう領域を手掛けているか説明する

ふわっとした形で知り合っている前提ですが、その時には、簡単に自分たちの手掛けている領域について話しましょう。あくまでふわっとした形で、です。詳細までをすべて説明する必要はありません。むしろ、その後にヒアリングをしたうえで、そのあとに具体的な解決策を示すのです。だから、ここで全部をぶつけてすっからかんになってはいけません。早いです。戦うための手札はちゃんと手元に残しておきましょう。

1. 課題感のヒアリングをする

あなたはざくっと事業について説明しました。そこからは聞くことに徹しましょう。「マーケティングでお困りごとってないですか?雑多なことでもいいので、教えていただけませんか?」くらいバクっとしていれば、具体な問題がでてくると思います。(出てこなければ需要はない可能性があります)

2. 正しく抽象化・言語化する

「つまりこういうことに困っているんですね!」「そうそう!」という反応がくることを目指して、ヒアリングをします。

「Webマーケティングは、ひとりの担当者だけに知見が偏っていて、、いいのかわるいのか判断ができなくて…」ということであれば、「属人的になってしまっているんですね?」「上司側に評価の能力が欲しいんですね?」「ひとりだけでなくて、何人かに同様のスキルを身につけてもらいたいんですね?」ような形で、先方の課題を整理します。

3. 自社プロダクトでの解決策を話す

「こう解決できます!」と説明します。

「上司に評価能力が欲しい」であれば、「上司の側に評価の能力が欲しいのであれば、弊社のAIアナリストには”効果測定”という機能が備わっています。弊社ツールが自動で様々な前提条件などを整えた上で、行った施策で改善したのか悪化したのかが分かります」と解決策を示します。

ほかにも「スキル教育は、AIアナリストがあれば大丈夫です。分析などの専門的で難しい部分はツールが行います。マーケターとしての施策の優先順位の判断などはマーケターの方に行っていただきます。また、弊社のWebマーケティングに詳しく、たくさんの事例を知っているカスタマーサクセスの担当者が、マーケターの方のご相談にも乗りますので、マーケターの方の教育にも役立ちます」と解決策を示します。

ツールのすべての機能を説明するのではなく、あくまで課題に対する解決策を示すことが大切です。すべての機能を説明してしまうと、本質的な機能がボヤけてしまいます。

4. 類似事例を話し、具体に想像してもらう

「実際ある会社さんでは…」など、同じ課題をもっている企業が自社ツールで解決できている事例を話しましょう。

「複数のサービスを展開されているある会社さんは、それぞれのサービスのマーケターを横比較するための評価基準に、弊社ツールの効果測定結果を用います」といえば「あぁ、評価にも使えるのか…」とイメージしてもらえます。

これを実際に行うためには、営業チームが売って終わり!ではなく、その後まで情報をもっておくことが必要です。この引き出しの多さはとても重要です。事前準備がいりますが、成果に大きく影響すると思います。僕も営業同行をしてお話しすることがあるのですが、同行するセールスが「そんな事例が自社に!?」となることもあります。事前に課題仮説をもっておき、同業種や同課題を持っていた既存顧客の事例をカスタマーサクセスにヒアリングしておけばできることです。これはセールスの準備不足です。

(番外編)展示会などで、ヒアリングが難しい場合は当て勘で課題を探る

展示会などでヒアリングが前提となっていない場合は、上記の(0)と(1)をこなすチャンスが与えられないケースがあります。

「うちはこんな会社でーす!」と言ったところで「はぁそうなんですか…」となっちゃうケースです。自己開示したくならないですからね、むりやりサービスを説明されても。

1. 課題感を当てる
ではどうやって自己開示してもらうのか。そこがポイントだと思います。「こういう失敗ありません?」「ある!」これです。共感できれば、自分の体験についても話したくなるはずです。

そう簡単には当てられないです。だから、ハードで分かる情報から、先方の課題感を推測するしかないです。名刺の肩書、会社名、規模感、、ある程度そこから当てにいくしかないでしょう。

類似業種、類似役職、類似規模の3点くらいを抑えて、あるある課題をあてていきましょう。1個でも当たれば、そこからは先ほどのパターンです。

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いかがでしたでしょうか。そんなもん分かっとるわ!もっとすごい技術が、もっと大切なパッションがあるねん!という方、ぜひ弊社を助けにきてください!自らの営業テクを自慢しに来ていただいても構いません(HR担当に「俺のすごテクについて教えてやるから、竹本を出せ!」といえば、面談に僕が出てくると思います)

テクノロジーをうまく使えるように顧客をエンハンスメントして、一緒に世界をなめらかにしましょう!


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