見出し画像

俺のCD棚 第30回

今回は、韻シスト「CLASSIX」

韻シストは、大阪発のバンド編成+2MCからなるHIPHOPクルー。
バンドメンバーは「韻シストBAND」名義でのライブ演奏が話題を呼んだり、2人のMCもそれぞれソロワークやフィーチャリングでの活躍も目覚ましく、各々が自立していながらも、ちゃんと帰ってくる「場所」として緩く繋がっているような感じがなんとも羨ましいグループ。

また、メンバー全員が酒好きなのも有名で、ライブ打ち上げでの失敗談や面白エピソードには事欠かなく、FM802でのゲスト出演の度に披露されるのを毎回楽しみにしている。

このCDは、そんな彼らが2016年に集結・団結して製作されたアルバムであり、幾多のメンバーチェンジを経た6人(マネージャー含む)が、6枚目にして完成させた名盤(CLASSIC)である。

画像4

このCDとの出会い

そもそも同じ大阪出身にも関わらず、このクルー自体を存じ上げてなかった(すいません…汗)のだが、2015年頃に「韻シストバンドがスゴイ」という話をライブレポートやラジオで耳にするようになり、そこから興味が湧いて掘り下げていくことになった。
そんな折に、最新アルバムとしてリリースされる事を知り、即購入したという訳である。

画像4

楽曲について

どの曲もバンド演奏が秀逸で、打ち込みトラックのように同じフレーズをループさせながらも徐々に展開されていく感じは、所謂HIPHOP的でありながら、どこかジャジーかつグルーヴィー。
そんな演奏に乗せるリリックは身近な事を中心に書かれており、その良くも悪くも人間くさい面が前面に出た内容は、可もなく不可もない自分の日常と重なり、親近感が持てる。


HIPHOPによくある自慢や罵倒は皆無で、そんなことをしなくても自分の周りの事を歌うだけで最高と思わせてくれる、アホで、お洒落で、実直な、彼らそのものを表したような、他にはないHIPHOP像を提示したと言っても過言ではない。

晩酌にも勿論合うのだが、聴いてるとなんだか何かが起きそうな期待感を抱かせてくれるので、意外かもしれないが、なんだかうまくいっていない時や、停滞気味だと感じている時、仕事中のBGMにすることが多い。

一曲挙げるなら、4曲目「オ~シ!」
これこそが日常。しょうもない事で怒ってしまったり、なんだかツイてなかったり、なんてシチュエーションのラップに、ファンキーな演奏を重ねることで、その全てを笑い話に昇華してくれる、懐の深い曲。
自分の身に起こったアクシデントも、振り返ってみれば大したことなかったな、とか色々思い出して、少し前向きになれる。

画像3

ジャケットについて

木材の上に真鍮で切り抜かれた表題を置いて撮られた写真で、一見するとラフに見えるデザイン。
しかしながら、周りにランダムに置かれた懐中時計や万年筆など、質感や機能を追求したモノで固められているため、「これいい」ではなく、「これいい」と思わせてくれる、まさにCLASSICな趣がカッコいい。

画像2

以上、第30回でした。
次回は、プロデュースや客演参加、楽曲制作など活動が多岐に渡る             新世代のラッパー、JJJのアルバムを紹介します。

それでは、また。

いただいたサポートは活動費として使わせていただきます。