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現代のお金が持つ本当の意味を考える。

ロシアが隣国ウクライナに侵攻してしまいましたね。
私としては、いかなる理由があろうとも、
問題解決の手段として戦争に踏み切るというのは肯定しません。

戦争は絶対悪であり、
建設的な結果を生むことは皆無だとわかっているからです。

本当に問題を解決したいのであれば、
人類は対話をするしかなく、
相手を傷つけ、物理的に制圧したところで、
後々にそのツケは必ず返ってきてしまうのです。

丁寧にやらなかったことのツケですね。
しかもそこに人命という、
取り返しのつかないものがかかっている。

世界のどこかで戦争が始まったときに、
すぐに株価などの経済的な影響に目をやったり、
「人間なんてそんなもんさ」という
冷笑的な態度を取る人は多いですね。

もしこれがスポーツなら、私も様々なところに目を配ったり、
現実主義的に判断する必要があると思っています。

例えばサッカーであるなら、全員がボールに群がってしまってはダメ。
様々な状況に対処できるように、
また戦略を組めるように、ちゃんとフォーメーションについて、
自分の場所と役割を守るべきです。

しかし、戦争はスポーツではありません。
政府の命令で人間が人間を殺すという行為です。
人はそこで実際に死んでいます。
だから、まずはそこを止めなければいけません。

非常事態のときには、全員でボールに向かわなければいけない。
またルールが通常のサッカーに戻ったなら、配置に戻ればいいのです。

それなのに、非常事態の最中に通常のアタマや意識で、
お金のことを気にしたり、人間性を放棄してはいけないのです。
また、家庭の中で父親などがそのような態度で発言すれば、
子どもたちは影響されてしまいます。

大国による戦争が本当に始まっている今、
日本中の家庭で大人たちがどんな会話をするのか。

そこが問われていますね。

ロシアが侵攻したことは圧倒的にダメですが、
ロシアの言い分はどんなものなのか、ということも
しっかり考える必要はあります。

そうするしかなかった、という状況に、
周りが追い込んでいないか?という注意は常に必要なのです。

先の大戦では、日本は愚かな行為をたくさんしましたが、
戦争に踏み切るしかないように追い詰められたことも事実で、
戦争という出来事では、たった一国だけが悪い、ということは
おそらくないからです。

アメリカが絡んでいないかが心配です。
特に軍産複合体、戦争産業が絡んでいないかが。
彼らは「死の商人」と呼ばれるように、
定期的に世界のどこかで戦争が起こらないと
経済的にやっていけないシステムの中に生きています。

そういう事情が絡んでいる可能性もあるので、
注意が必要だと思うのですね。

つまり、「お金」が絡んでいる、という意味です。
今日はその「お金」の力ってなんなのだろう?ということを
少し考えてみたいのです。

お金というのは、
何かしらのものやサービスを買うためにありますね。
私の場合はそうです。
多くの日本人にとってもそうなのではないでしょうか。

仕事をして、給料を稼いで、そのお金で暮らしている人間は、
みんなそうなのだと思います。

ところで皆さんは「通貨発行権」
という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

文字通り、お金を発行する、つまり作り出す権利ですね。

ここでちょっとちょっと思考実験してみてください。

もしあなたが通貨発行権を持っていたら、
つまり自由にお金を作り出せる権利を持っていたら、
いったい何をしますか?

これは合法で、なぜかあなただけに認められた権利だとしましょう。
あなたなら、どうしますか?

そうですね。私なら、子どもの教育費などを、それで支払いますし、
ローンの類があれば、それの支払いに充てます。
もちろん、食べ物や衣服を買うかもしれないし、
車をEVに買い替えたり、
再生可能エネルギーを自前で作れるようにしたりしたいですね。

・・・なんていろいろ考えるわけです。

そうすると見てください。
これ、ぜんぶ「お金を何に使うか」
「そのお金で何を買うか」ということだけですね。

言ってみれば、宝くじで3億当たったら、何につかう?というのと同じです。
逆に言えば、3億円の宝くじが当たるということは、
3億円分の通貨発行権を得たのと同じなのかも知れませんね。

とりあえず、ここからわかるのは、
私にとってお金とは「ものやサービスを買うため」にある、
という概念しか、ほぼないということ。

お金が自分で自由に作れるのだから、
そのお金で好きなだけものを買えばいい。
そういうことですね。

ところが、実際の通貨発行権というのは、そのようには使われていません。

日本では通貨発行権というのは民間銀行と政府&日銀が持っています。
彼らはどのように通貨発行しているかというと、
借金という形で誰かがお金を借りにきた時に、
お金を発行しているんですね。

日銀の場合は厳密には借金とは言えないのですが、
借金のような形で通貨発行しているのは同じです。

ところで、あなたは子どものころ、
こんなことを考えたことはないでしょうか?

「ケーキ屋さんになりたいな。
 そうすれば好きなだけケーキが食べられるから。」

実際にはケーキ屋さんはケーキを売って生計を立てているので、
作ったケーキを自分で食べることはしません。
それと同じで、銀行にはお金がたくさんあるのに、
銀行員はそのお金そのものを自分たちのものにして使ったりはしません。

そのお金を人に貸すのです。
で、貸した金額より多いお金を返してもらう。
その余剰分が銀行自体の利益、ということにしていますね。

とても不思議です。

さっき、もし自分に通貨発行権があったらどうするか?と考えた時、
そのお金を使うことばかり考えましたよね。
でも、銀行員は、自分でお金を作り出せるのに、
そのお金を自分では使いません。
そのお金を社員の給料にしたり、勝手に自分の銀行預金を増やして、
そのお金で昼ごはんを食べにいったりしません。

なぜだと思いますか?

やろうと思えば不可能ではないと思いますよ。
(もちろん犯罪ですけどね)

考えてみて欲しいのです。

よく国際金融資本とか、ユダヤ金融とか言いますね。
怪しげな響きです。

でも、国際金融資本というのは実在しています。

日本では中央銀行である日銀は政府の子会社なので
普通の民間企業とはちがいますが、
世界の基軸通貨であるドルを発行する
アメリカの中央銀行・FRBは、単なる民間企業なんですね。

民間企業が、世界中のお金を牛耳っているのです。

その人たちは、世界中のお金を
自由にできると言っても過言じゃないわけです。

それなら、好きなだけお金をつくって、
そのお金で好きなものを買って、豪勢に暮らせばいいじゃないですか。

でも、そうはしません。
あくまでも通貨を発行して、そのお金を融通するわけですね。
融通というのは、他者に貸すということです。

なんでそんなことをするんでしょうかね?
そこが、今日の本題なのです。まわりくどいですね!
でも、ここまで考えてくれば、わかりますよね。
通貨発行権を持つ人は、そのお金でものが買いたいのではないのです。

では何がしたいのか?

「人を思い通りに支配したい」ということなんですね。

古くからお金には3つの機能があると言われています。

1ー交換
2ー尺度
3ー保存

ですね。なんとなくわかると思います。
交換はものやサービスを買う行為そのものですね。
尺度とは値段を決めることで相対的な価値を決めることです。
保存というのは、将来のためにとっておく、というようなこと。

しかし、この中に語られない4つめの、
しかも現代においては非常に大きな機能があって、
それが「支配」なのです。

お金には、人を支配する力があります。
他者を思い通りに動かしたり、いうことを聞かせたりする力です。

よく考えて見てくださいね。ジェンダーの問題も同じじゃないですか?

どうして男性より女性の方が弱いかといえば、
家庭の中に外貨を稼いでくる力が弱いからだとされていますよね?
離婚したくても旦那に養ってもらっているから我慢している。
そんな声はツィッターなんかでも溢れています。

お金によって支配されているということですよね?

お金の支配力を強くするには、あげてはダメなのです。
貸すんですよ。

返さなければならないものだから、そこに上下関係が生まれる。
資本家というのは、実は金を貸しているのと同じですよね?
お金を元手にお金を増やすというのは、貸して利息を得るのと常に同義です。

労使だって同じなんですよ。
給料というのは、もらっているようで、お金を借りているのと同じこと。

だって、労働という形で返さなければいけないわけですからね。
資本主義というシステムでは、「お金を貸す側」にならなければ、
ずっと支配されている状態なのです。

そして、この「支配力」こそが、人間が欲しているものなんですね。

戦争の話を冒頭にしたので、戦争とお金の相似形の話を
もうひとつだけして、今日は終わろうと思います。

戦争のとき、実は銃を相手に向けて直接撃ったことがある兵士は
とても少ない、という話を読んだことがあります。

人間は、たとえ戦争の状況であっても、
生身の人間を直接殺す、というのは
なかなかできないものなんですよね。

爆弾だって、ミサイルだって、そこに人間がいると
肌感覚的にわかってしまうと、なかなか撃てないでしょう。

でも、相手が戦闘機に乗っていたり、戦車に乗っていたり、
軍艦や潜水艦に乗っていれば話は別です。

もっとたやすく引き金を引くことができる。
経験はありませんが、想像はできます。

ドローン兵器なんて、その最たるものですね。

それと同じことがお金の世界でも言えるんです。
投資など、お金を元手にお金を増やす経済のことを
「金融経済」といいますね。大金持ちたちは、ここで金を稼いでいます。

金融経済の話や利息の話をすると、まるでお金というものが
細胞分裂でもするかのように「増える」と思ってしまう人がいるでしょうが、
そんなことは絶対に起こりません。

その増えたお金というのは、必ず誰かからとってきたものです。
そしてそれは我々が働き、給料を得て、ものを売り買いするという
日々の暮らしを営みの経済、実体経済から吸い上げられたお金なんですね。

一部の富裕層が、我々庶民から大量のお金を吸い上げて
考えられないような大金持ちになっているわけですが、
なぜそんなことができるのか?と言えば、
金融経済の世界にいると、実体経済の悲惨さは見えないし、
見なくて済むからです。

そこにあるのはあくまでも金融商品であって、その利益の中に、
1日を暮らすのも大変な貧困層からの搾取があることは見えないのです。

自分たちの富が多くの人々の苦しみの上にあることを
すっかり見ないで済むからこそ、平気で金儲けができるわけですね。
その結果、道端で人が死んでしまおうが、そんなのは見えない。

空高くからとか、遠く離れたところからなら、
平気で爆弾や弾道ミサイルを撃つことができるのと同じなのです。

お金の力では建物や街は破壊されませんから、視覚的には見えない。
でも、人間の暮らしを破壊しているんですよね。わかるでしょうかね。

まぁ、でも、そのようにお金を元手にお金を増やして楽しんでいる人は、
「支配」を楽しんでいるのではないかも知れません。
彼らは贅沢や享楽に興じているだけかも知れない。

支配を楽しんでいる人は、実は彼らをも利用しているわけですからね。
もっと上か、また別のゾーンにいるということです。

人間の欲望というのは、物理的にものを手にいれたい、
ということだけではない。

他人を支配したい、という領域があるんですね。
他人の行動を支配したい。
他人の思考や思想を支配したい。

そういう例が、人間の歴史にはたくさんありますよね。

今も起こっているかも知れないし、
起こそうとしている人はいるでしょう。

私が「お金がなくなればいい」と思っている理由はそこにあります。
また、なかなかお金はなくならないだろうな、と思う理由もそこです。

人間の欲というのは、なかなか手強いものなのです。

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