黒いスペインと陰翳礼賛#1

1.19世紀末スペインのエスパーニャ・ネグラ
2.大陸の西と東の外れで衰退し続ける2つの国の表現の近似
3.ガウディの中の黒
4.とにかく明るいサクラダファミリア

9月にあった3つの企画展
「ガウディとサクラダファミリア展」
「スペインのイメージ :版画を通じて写し伝わるすがた」
「古代メキシコ-マヤ・アステカ・テオティワカン」
に行ってきての考察を数回に分けて作成

1.19世紀末スペインのエスパーニャ・ネグラ
19世紀末のスペイン芸術で「エスパーニャ・ネグラ」という運動が起きた。
これは、17世紀以降衰退し続け、19世紀末の時点でほとんどの植民地を失った自国のアイデンティティを再考する思潮の中から生まれた。
「黒」は、近代化の進まず古めかしい習慣が残存し、死の影が至る所に
のぞかせるスペインを表現すると共にスペイン的美徳や価値を逆説的に表現しているとして評価された。
この「黒」は、近代の「光」の対になっており、近似の表現は別の国にも生まれた。



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