鬼滅の刃で中学英語#42~一般動詞の否定文「don't」を使った表現~
前回#41で、一般動詞「have」の応用表現「have to」の否定形、助動詞「must」の否定形のお話をしましたが、そもそも通常の「一般動詞の否定形(否定文)」についての話をしっかりできていなかったので、いつものように鬼滅英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』をテキストにしながら解説していきますね。
一般動詞の否定文
以前ご紹介したものは、「be動詞」を使った文の否定形でしたね。
では、「play」「study」「go」「walk」「know」などの一般動詞の否定形の場合はどうなるでしょうか?
では早速、一般動詞「know(知っている)」を使った例を見てみましょう。
(出典『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7』/原作『鬼滅の刃』第7巻)
I don't know the particulars. Sorry.
(私も仔細はわからなくて…ごめんなさいね)
※particulars=詳細という名詞
こちらは、蝶屋敷で治療と訓練を受けた炭治郎が、最後の健康チェックを受けた際に「火の呼吸」や「ヒノカミ神楽」のことを知らないかと聞いた後に、胡蝶しのぶから「『火の呼吸』はありませんが『炎の呼吸』はあります」と言った後のシーンです。
ここでは、胡蝶さんは「知らない」という意味で「わからない」と言っていたので、「知る=know」を否定した、
I don't know+○○=○○は知らない
という、動詞の前に「don't」を使った表現になっています。
ちなみに「don't」は「do not」の短縮形で、ほとんどのシチュエーションで「don't」を使いますので、こちらもそのように使用させて頂きます。
なお、一般動詞の意味を否定する「否定文(否定形)」は、主語が「I」でも「You」でも一般動詞の前に「don't」をつけます。
*HeやSheならdon'tじゃなくてdoesn't
動詞の前に「don't」をつけるだけなので、そんなに難しくはないですね。
中学生の問題としてはとても簡単な部類に入ると思います。
肯定文(平叙文)
主語+一般動詞+○○
否定文
主語+don't+一般動詞+○○
*HeやSheならdon'tじゃなくてdoesn't
定番表現「I don't know」
この、「I don't know」は、英語で「don't」を使う定番表現中の定番表現ですが、一般動詞「know」自体は「知る」という意味で習っていますから、先ほどの胡蝶さんの例のように
I don't know+○○=私は○○のことは知らない
という理解で問題ありません。
(○○の部分がなくても使えます)
ちなみにこの「I don't know」はあくまでも「know=知っている」の否定形なので、あくまでも「don't know=知らない」ということに限って使われます。
たとえばこちらの、道ばたで善逸が優しくしてくれた女性にしつこく求婚しているシーン。
(出典『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3』/原作『鬼滅の刃』第3巻)
I don't know when I'll die!
(いつ死ぬかわからないんだ俺は!!)
これはスラッシュリーディングで、二つの文に分けられますね。
I don't know=わからない、知らない
when I'll die=死ぬ(であろう)時
※when=~する時、という接続詞
ここでも「I don't know+○○」を使っており、○○が指しているのは、「when I'll die=死ぬ時」という未来のことで、
いつ死ぬかわからない
↓
いつ死ぬかも知れない
↓
I don't know when I'll die
と訳されたのだと思います。
これが「理解できない」という意味の「わからない」だったらまた別の表現になりますが、今回は「知らない」という意味の「わからない」なので、know」の否定形で、「I don't know」という表現になったというわけですね。
「I don't think」
「I think+○○=(私は)○○と思う、考える」の「think」も一般動詞なので、「don't」を使った否定文にすることができます。
たとえばこのシーンで使われていました。
(出典『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7』/原作『鬼滅の刃』第7巻)
I was watching his hand as he tossed it.
(投げる手元は見てた)
I don't think he cheated.
(小細工はしてなかったはず……)
このシーンは、何でもかんでもコイントスで自分の行動を決める栗花落カナヲに、炭治郎が「このコイントスで表が出たら心の声に従おう」とコイントスをして、表を出して、「人は心が原動力だから」という名ゼリフを決めた後のシーンです。
カナヲが炭治郎を呼び止めて、なぜ表を出せたのか聞くために、自分で「どうしてだろう」と考えている時のモノローグに使っていました。それが、
I don't think he cheated.
(小細工はしてなかったはず……)
でした。この文は二つの文で構成されていて、
I don't think=(自分は)思わない
he cheated=彼がズルをした
※cheated=だます、ズルをする(cheat、チート)の過去形
というように、元々の原作とはちょっと違う、「炭治郎がズルをすることは思えないし」という意味合いの英文なんですね。
このように、「I think~」のように通常使う表現を否定するために、「I don't think~」のようにすることもよくあります。
まぁ、テストではあまり出ませんが・・・。
「I don't care」
こちらはあまり学校では習わない表現ですが、会話では使う表現として、「I don't care」というものがあります。
こちらは最終選別試験終了時に、残ったメンバーに鎹鴉(かすがいがらす)が割り当てられる際に、一人イキっていた不死川玄弥のシーン。
(出典『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.2』/原作『鬼滅の刃』第2巻)
I don't care... about crows!
(どうでもいいんだよ 鴉なんて)
※care=気にかける、関心を持つ、という動詞
※about crows=カラスのこと
「care」というのは、日本語でも「ケア」と使われるくらいになった、「面倒を見る」という意味を持つ一般動詞ですね。
基本的に「care」は「面倒を見る、気にかける、関心を持つ」など、優しい意味合いを持つ言葉ですが、その前に「don't」を置くとそれを否定して、まったく反対の意味で、「気にかけるつもりもない」的な意味合いになって、結果、
I don't care=どうでもいい
になるんですね。
中学生が「勉強なんてどうでもいい」という時に使う、「どうでもいい」がまさにそうで、
I don't care about learning English.(英語の勉強なんてどうでもいい)
というように使えます。
学校で教えてくれないわけです。
生徒が言い出したら学級崩壊しちゃいますからねw。
そんなわけで、ネガティブな感情の時に使う表現なので、
このように、刀をおられて切れる鋼塚さんのシーンでも登場していました。
テメエの都合なんか知ったこっちゃねーんだよ、というニュアンスが、介護などにも使う「care」という優しい言葉に「don't」という一言をつけるだけで、まったく意味が変わってしまうわけですね。
この辺が、一般動詞の否定文の特徴です。
ただただ、否定するだけじゃなくて、動詞の「意味」をソックリ否定するわけです。これは、be動詞の否定形とちょっと違うわけですが、それはまた別途、「be動詞と一般動詞の否定文の違い」としてご紹介しましょう。
本日のまとめ
・一般動詞の否定文は、動詞の「意味」を否定する時に使う
・否定文は、動詞の前に「don't」「doesn't」をつける
・I don't know=知らない、わからない
・I don't think=思えない、考えられない
・I don't care=どうでもいい