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子どもに「10万円もらえるよね」と言われたら?【子ども特別定額給付金】のススメ

10万円の特別定額給付金の申請書類がやっと来ました。

私はオンラインでやったので今週の月曜日に入金済みではあるのですが(それでも1ヶ月!)、普段オンラインで確定申告するような方でないと、まだ手続きされていない方も結構いらっしゃると思います。

この定額給付金。「一人10万円」と散々言われているので、お子さんから「僕/私も10万円もらえるでしょ?」と質問されている方も結構いらっしゃるかと思います。

かといって、そのままお子さんに渡していらっしゃる方は少数だと思いますが、一体どうしたらいいの??・・・と悩まれている親御さんのために、「子ども特別定額給付金」をあげたらどうでしょう?というご提案です。

まぁ、一つのお遊び、パロディではあるのですが、せっかく案内が来たので、それをベースに、子ども特別定額給付金の申請書まで作っちゃいましたよ!

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左が名古屋市から来たもの、右がワードで作ったものです。
(ページの下の方でダウンロードできます)

よく見ると全然違う?・・・いや、他の紙に書いてあった「誓約・同意事項」とか「チェックリスト」を入れ込んでいる関係ですよ。本物は「世帯」ですが、偽物?は「個人」なので、その辺も違います。

ついでに、案内もパロディで作っちゃいましたよ。

給付名古屋案内比較

ま、見た目はさておき、こういうものを使ってですね、さすがに10万円全部渡す必要はないにしても、ある程度子どもにもお金を与えてもいいんじゃないかな?と思ったんですね。

子どもに定額給付が必要だと思った経緯

私は地域のコミュニティセンターで小中学生の子どもたちの学習支援をしている寺子屋を主宰しておりますが、6月に入って閉館していたコミセンがやっと開いて、オンラインで勉強を見ていた子は別にして、先週は久しぶりに子どもたちに会いました。

ここ、名古屋市では、入学式と始業式だけやってあとはずっと休校していて、6月から学校が再開したわけですが、話を聴いていると、やはり、「休みが減った」ことと「6時間授業」ばかりになったのは結構精神的負担が大きそうですね。

色々話を聴いていたら出てきたのは、「定額給付金、自分ももらえないかなぁ……」と期待する声でした。

私は子どもがいませんので、それを聞いたとき、「ん?」と思いましたが、でも、冷静に考えれば自然な反応ですね。

なにせ、ニュースで「国民一人ひとりに10万円を給付」と何度も言っているわけですから、自分も国民の一人としてもらえる「権利」がある、と感じたワケですね。実際、聞けば子どもにそう言われたも多いようです。

特に小6以上になると憲法*を学びますので、この辺の理解がとても早い笑。
*今は歴史の後に憲法ではなく、憲法を小6の最初に学習します

ちゃんとニュースを見ている証拠ですね、エラいです。
ユーチューバーの影響かもしれませんが……。

しかし、「じゃぁ10万円あげるよ!」と素直に渡す親御さんはたぶんいないと思いますし、むしろ「一銭もやらん」という親御さんも多いのではないでしょうか?

でも、それで子どもが納得するかどうか・・・

そこで、子どもたちの気持ちを納得させるため、もうちょっと深く考えてもらうための「学びの機会」として、子ども用の定額給付金を作って、活用してほしいな、と思ったんですね。

特別定額給付金は誰のためのものか

そもそも、特別定額給付金は、「家計」のためのものです。

特別定額給付金のサイトに公開されている行政文書にもそれがハッキリと記載されています。

感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うため(出典:総務省「特別定額給付金事業の実施について」)

だから、あくまでも10万円は「一人10万円」ということであって、「国民一人ひとりに直接10万円渡す」ということではないんですね。

DVする世帯主が独り占めするなどの問題がありますが、「世帯」配布するのは、あくまでも世帯への家計支援という性格というのもあります。

これは日本の民法に色濃く残る「世帯主義」の影響でもありますが、スピード感が大事なこの状況では「行政の常識」でやるのはベターなやり方だったと思います(ベストではないと思いますが)。

そんな背景があり、目的が「家計への支援」なので、子どもが、

「10万円くれないの?」

と言ってきたとしても、

「家計のためのお金でお年玉のような無条件で使えるお金ではない!」

といった大義名分で戦えばいい、ということです。

実際、学校が休校になれば、子どもが家にいるわけですから、水道光熱費が通常よりも増えますし、安い給食がなければ昼食代もかさみます。
特に親御さん一人分なら昨日の残りとかでもよくても、育ち盛りの子どもたちが何人もいた場合、そうはいかないわけで。そういう意味で出費がかさんだ分があると突っぱねてもいいでしょう。

また、リモートワークなどになることによって残業代が減ったり、パートだったら就業先が休業になったとか、子どもの面倒を見るために休んだとかで、世帯収入は減っているわけですから、そこの補填に使うのは理にかなっていますので、それをしっかりと説明することが大切です。

もっとも、じゃぁそれが一人あたり10万円にもなるかといったら、そうなる家庭とそうならない家庭もあるでしょうから、その辺は、家計の経済状況に合わせて考えていただけるのがよいと思います。

特にファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏がまとめた下記の記事は、家計の状況に応じて使う方法をまとめてくれているので、とても参考になる『ガイドライン』になると思います。

子どもたちに「特別定額給付」を!

さて、いよいよ本題ですが、先ほどご紹介したガイドラインでは、下記のようなケースごとの対処法が書かれていました。

ケース1)家計が厳しい場合は、無条件で親が使うべき
ケース2)子どもが社会人であれば、使い道は子どもが自ら決めるべき
ケース3)未就学児から小学生くらいまでは、親が管理して使い道を考える
ケース4)悩ましいのは中学から大学まで、子どもと一度話し合いが必要か
(出典:ひとり10万円の特別定額給付金、子どもにあげるべきか、親が使うべきか@Yahooニュース

ここでは、「悩ましい」と書かれている「ケース4」についてとりあげていきます。

私は(作家でもあり)教育家でもあり企画屋でもあるので、その視点で考えると、

子どもたちに「特別定額給付」を与えるべし

という考えに行き着きます。ええ、与えるべしです。

でも、誤解しないでいただきたいのですが、「全額10万円」まではいかなくてもいい、ということです。

あくまでも、家計状況(先ほどのケース1の場合)が優先されて、なおかつ、たとえば10万円給付を使って家族で旅行に使おうと話しているなら話は別です。ぜひぜひそうやって使いましょう。

ただ、使い道が特に決まっていない、生活の「足し」にする、というのであれば一度、子どもたちにも、特別な何かを与えることに使うのを考えてみてもいいのでは?と思います。

もちろんそれは、5千円でも1万円でもいいのです。

現金じゃなくて、図書カードでもクオカードでもいいのです。

スマホやタブレットを購入する代金に充ててもいいのです。

どうしてもしたかった体験(ダイビングとか?)に使ってもいいのです。

なんでもいいのですが、ぜひ、子どもたちが望むもののために使えるお金として、「子ども特別定額給付」とでも言えるものを考えていただきたい

理由は、今の子どもたちが置かれている状況が、あまりにもひどいからです。

今の子どもたちが置かれている現状

今の子どもたちの置かれている現状は、聞けば聞くほど、悲惨です。

たとえば今年度の名古屋市の子どもたちの置かれている「現状」をまとめてみましょう。

・3月中旬から5月末まで休校
オンライン授業は実施せず
(※6/13追記、やることになりました、一部で)
・休校中のプリントで「授業をした」ことにする*
(*一応駆け足で復習みたいな授業は行われました)
・学校開始10日後に確認テストを実施
(満点とったら授業いらないことが証明されるのでは?)
・4月は入学式と始業式のみ実施、即休校
・月木は5時間授業だったのが6時間に
・3月までにすべてのカリキュラムを終わらせる
・8/31までの夏休みが8/16までに15日間短縮
・冬休みも5日間短縮
・8/17~8/31までは1学期で、8/31は終業式
・翌9/1に2学期の始業式
・4階まで階段で上がるのもマスク着用
・小5、中2の野外活動(山での一泊)は中止
・5月にやっていた運動会は中止
・体育のプールの授業はすべて中止

8/31に終業式で9/1に始業式など、色々ツッコミどころがあってしょうがないのですが、とりあえずそれはさておき、ざっと出てきたのがこんな話。部活はまだ未定な所が多いようですが、まだ始まってもいないとか。

日程的に最終学年の修学旅行は「死守」できたようですが、春~夏にかけて行う学校によっては中止となっているでしょうし、寺子屋に通う子の学校はエアコン完備ですが、エアコンのない学校はもっとひどいでしょう。
それなのにマスクしてフェイスガードまでしている学校もあるから、まだまだ冷房があるだけマシ。

それでも、今の子どもたちが結構不利益を被っているな、というのはしみじみと思うわけで。

特に、休みも大幅に短縮された上、授業時間が増えるのがキツいですね。

大人からすると、休校期間中が2ヶ月もあって十分休んだじゃねーかというところですが、最初の頃は、とにかく不安にかられた学校から、公園にも行っちゃダメという指令が出ていたり(通報する人がいるとか?)、休校期間中なんだから「授業がある時間は家にいないといけない」ということで、担任が家庭訪問するようになっていたり、休校期間後半は、オンライン授業をするのがムリだからと、とにかくプリントを山のように出し、実際に「休みらしい休み」ではなかったわけですね

まぁ、もちろん、課題をやらずに昼まで寝て、YouTubeばっかり見ていた子がいるのは否定しませんが、全員が全員そうしていたわけでもないですし。

その点では、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が言っていたように、休みを減らすなんて子どもたち怒りますよ、というのは本当に子どもの立場にたって考えている人のセリフだなとしみじみ感じます。

まぁ、今の所、私が見ている子どもたちはキレてはいませんが、どうにも学校がどんどん居心地の悪いところになっていっているのは間違いがなく、そういう意味で、こんな学校に行っているだけでも子どもたちはえらいなと思う発想も必要ではないかなと思うわけです。

だって、安倍総理が「空前絶後の対策」とか言ってますけど、そのツケは誰が払うのって、子どもたちでもわかりますよ。それなのに、びた一文もらえないんですよね?

私が今の中学生だったら、「なにこのクソ大人たち」と思いますもん。

中学生ってそういうものですが、それがもっとひどくなるわけで。

言わないだけで、そう思い続ける子は少なくないでしょうし、そのままでいることが子どもたちにいい影響を及ぼすとは思えないのです。

そういう意味では私は、今年度は学年の終了を後ろに伸ばしてほしい「9月入学」賛成だという記事も書きましたが、年間予定表には予定どおり卒業式を迎える計画・・・これは子どもの負担が大きくないでしょうか??

「子ども特別定額給付(仮)」を活用しよう

このように、子どもたちの置かれている状況と、子どもたちにも国民の一人として給付が行われているという現実も踏まえ、さらに家計のことも「総合的に」考えた上で、子どもにもなにか特別な手当が出てもいいだろうと思ったんですね。

そこで思いついたのが「子ども特別定額給付」です。

大人たちが自治体を通じて政府とやっているような手続きを、子どもたちが親御さんたちとしてもらうわけです。

具体的に言うと、

「特別定額給付金申請書」の子ども版を使って、「これだけ渡す」「こういう条件がある」ということに同意してもらってサインしてもらうんです。

まぁ、一言で言えばゴッコ遊びです

でも、「学ぶ」の語源は「真似ぶ」と言われるように、人は赤ん坊の頃から、真似をしながら多くのことを学んでいくわけです。

今回は、「予期しなかった収入」をどう使うかというミッションを、どう考えるかというプランニングの学習機会になります。大人が給付金をどう使おうか考えるように、子どもにも真剣に考えてもらうということですね

まぁ、アイドルのTシャツを買うとか、大人からしたら、どうせロクなことにしか使わないかもしれませんが笑、でも、それでもいいんです。

なにせ、今の子どもたちにとって、今年は、「コロナのせいでイヤな思いしかしなかった年」になりかねないわけですからね!

せめて、できること、チャンスを活かし、そのお金があった「おかげ」で、いい思いが出来たという経験をすることが大事なんです

給付金があったおかげで、普段出来ないことが出来た年になったら、それだけでも気分が晴れるんじゃないかと。

「バラマキ」にしない

でも、そのためには、ただお金をあげるだけじゃダメです。

人間、簡単に手に入ったものは大事にしませんし、逃げ道があるものはそこに本気にならない傾向があります。

実は面白いデータがあります。

離婚した人の調査ですが、なんと、結婚式を挙げなかった人の8割以上が離婚経験があるというデータもあるのです。

上記はちょっと極端な例ですが、他にも、結婚3年後のデータで、結婚式を挙げている人はあげていない人よりも離婚していた割合が20%も低かったという調査もあります。

理由は様々ですが、「儀式」は人の行為に「意味」「使命感」を与える心理効果があることはよく知られていますから、お金の貸し借りも、借用書がなく貸したものは結構踏み倒されてしまったりするものです。

今回の「特別」な給付金も、「大金が手に入ってラッキー♪」と思うような与え方をしてはダメなんです。それなら1円たりとも与える必要はありません。それこそ、無駄な「消費」で終わるでしょう。

大事なのは、「特別」にすることです。

だからあえて、普段やらない、「書類を書いてもらう」ということをしてもらうことが大事なんです。それがたとえ、名前とかを書くだけだとしても!

雑に書くならそれでもいいんです。その子は、そういうことを雑にする傾向があるということがよくわかります。当然、将来無駄な契約をしたりだまされるようになる可能性があります。簡単に保証人になるかもしれません。

それが事前にわかるだけでも、今後の教育に活かせます。

それをただ「それじゃダメだ」と説教するだけじゃ足りません。
ここを多くの親御さんは勘違いしています。

「正しいことを言う」のは「教えている」だけであって、「育てている」ことにはなりません。教育はようするに、見守ることも大事なんですね。

「育てる」には時間がかかります。子どもが、自分で実感して、行動を自分からかえていくように導いていく必要があるのです。

特にお金に関わることを経験させるのは、とても難しい。

だからこそ、こんな、降って湧いたようなチャンスを活かすべきなんです。

ひと工夫してあります

申請書は、できるだけ本物に似せましたが、いじった部分もあります。

特に「誓約書」的な雰囲気を出したいので、「ちゃんと考えて使います」「今年度はおねだりしません」などの文言を入れて「同意」してサインしてもらうような形にして、後々、金の無心が始まったらそれを盾にできます。

また、現金給付だけではなく、「貯金」という選択肢も与えています

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今欲しいものはないのにお金をハイと渡して無駄に使うよりは、本当にほしい時のためにとっておくのも大事なことですからね。

なお、現金ではなく、「図書カード」などにすることも可能です。

いわくつきの「給付希望いらないチェック欄」も設けています。

また、定額給付金の申請についての案内についても、合わせてパロディで作っています。元ネタとなった案内はこちら。

案内

「お願い」にお金の使い方、「サギ」の注意喚起をカツアゲにしたりして、

給付名古屋案内small

こんな感じになりましたよ。極力文面の雰囲気を似せましたので、比較して楽しんでいただけたら幸いです。

テンプレートのダウンロード

では、その書類ってどうしたらいいの?

名古屋市版と、総務省版を用意して、Wordで編集できる「記入型」と、パソコンが苦手な方向けにPDFの「書き込み型」があります。

好きにダウンロードして、好きにいじってくださいませ。

なお、Word版には、赤文字で「○○」となっているところがありますが、実際の申請書では印刷済みの所なので、予め入力していただく場所になります。すると「それっぽく」なります。もちろん黒色に変更してください。

なお、このパロディファイルを使って起きたトラブルについては一切責任をとりませんのでその点はご了承くださいませ。

【案内・名古屋市パロバージョン】

給付名古屋案内比較

【申請書・名古屋市パロバージョン】

名古屋市が配布している申請書を元にしたデザインです。

朱枠の部分が子どもが書くところ、それ以外の部分は入力するか大人が書いておいてあげてくださいね。

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【申請書・総務省様式1パロバージョン】

総務省にて公開されている「様式1」をベースにした申請書です。

給付様式1記入

まぁ、せっかくの「機会」ととらえて、楽しんでいただければと思います。

楽しく感じることが、前向きに捉えるほうほうなので。

参考:総務省 特別定額給付金特設サイト

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