鬼滅の刃で中学英語#15~炭治郎の特技で“I+一般動詞”を学ぶ
これまで、「I am」を中心に、be動詞を使った表現をご紹介してきました。
普通、学校だと、自分を表す「I am ...」の次は、相手を表す「You are ...」だったり、物を表す「This is ...」をやるんですが、ここではあえて、「I」を使った表現をもうちょっとやってから進みたいと思います。
理由は簡単、言葉を取得するのって、自分が使う言葉からですよね。
幼児がそうですが、相手のことなんて二の次で、「腹減った」「トイレ行きたい」などの自分のことを話すことで、まず言葉を覚えていくのです。
そんなわけで、「I」を使った定番表現、「I+be動詞(am)」と双璧をなす表現、「I+一般動詞」を学んでいきましょう。
そもそも「一般動詞」とは何か?
be動詞の方が難しいので、be動詞に時間をかけましたが、be動詞じゃない動詞が一般動詞です。日本語で言う「動詞」がまさにそれです。
たとえば、「走る」「読む」「書く」「座る」「立つ」などはすべて動作に関係する一般動詞です。
これらはbe動詞を使って表現することができないので、一般動詞を使って表現します。
一般動詞の例
run=走る
read=読む
write=書く
sit=座る
stand=立つ
be動詞よりずっとわかりやすいですね!
むしろ、「一般動詞」という名の通り、こちらの方が普通の動詞であり、be動詞は、「特殊動詞」と思った方がいいくらいです。
日本語の動詞との違い
我々日本人は、日本語を話す時に「動詞」を意識して会話することはありません。
というか動詞ってそもそも何?
って感覚は私もあります笑。
学校では、「走る(hashiru)」「歩く(aruku)」「読む(yomu)」など、最後の母音が「u」で終わるものが動詞だと教えられる事が多いですが、今思えば、結構雑な教え方ですよね。
動詞が何かと言うことをまったく理解させる気がない。
それは、日本語の動詞には活用*があるから教えるのがやっかいということもあるのでしょうが、動詞がなくても文が理解できるため、あえて「動詞のことを勉強しよう」と言って勉強する必要があまりないからというのもあるでしょう。
*例えば「走る」なら、走らない、走ります、走る、走るとき、走れば、走れ、走ろうという形の「アイウエオ」型の五段活用になる。
しかし、英語の場合は、これまでくり返し言ってきたように「I」のような主語と、be動詞や一般動詞などの動詞が文の先頭に来る形が基本です。
ということは、「動詞」をしっかり理解しないと英文が全然わかんない。
ということで、動詞の一つ、be動詞の使い方をしつこいくらいに学んできたので、ここで一般動詞の使い方を『鬼滅の刃』の英語版での実例を使ってご紹介していきます。
初期の炭治郎がよく使っていた一般動詞
最近の『鬼滅の刃』ではあまり出てこない設定に、「炭治郎はとても鼻がきく」というのがありましたね。
最初の頃は、「敵の“隙の匂い”」を元に敵を見つけたり攻撃したりしていましたが、そのシーンを取り上げてみましょう。
出典は『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1』、鱗滝のもとで修行をし、終え、藤重山での最終選別の際に鬼たちと遭遇したシーンです(訳は『鬼滅の刃』第1巻)。
I smell the thread!
(糸の匂い!!)
※smell=匂いがする、という動詞(発音)
※thread=糸(発音)
はい、出ました「I」です。日本語にはない「I(自分)」が出てきましたね。
日本語だったら主語を糸にして、「匂いがする」「匂う」で済むことに「I」を使うのは、be動詞の時と同じです。もう、慣れてください。
そして、これまでbe動詞を入れていたところに「smell」を入れたのです。だから、同じ動詞の仲間ということが理解いただけるかなと思います。
この「Ismell」の表現ですが、同じ巻に何回も登場してきて、
I smell a cat.
(猫の匂いがする)
※cat=猫(発音)
I smell blood!
(血の匂いがする)
※blood=血(発音)
これだけ見ると、「なんだカンタンじゃん!」と思えますよね?
実際そうなんです。
「I smell ○○」=「○○の匂いがする」
と考えればいいのです。
ただ、be動詞は「am」とか「is」とか「are」とかに「変化」するのに対して、一般動詞は「smell」とか「run」とか「read」とか、まったく違う語に「入れ替わる」という違いがあり、一般動詞が変わるたびに、意味が変わる、後ろの語もその内容に合わせて変わるということですね(runならどこどこに走る、というように)。
be動詞は「~である」「~な人だ」「~なものだ」みたいな訳し方ができるのに、一般動詞は、動詞が変わるたびに訳も変わるのです。
そこが複雑に感じることもあるのですが、逆に、「be動詞が特殊なんだ」ということを覚えておくとすごく理解しやすいと思います。
この辺はまた、色んな動詞を使った表現を紹介しながら、一般動詞という物はどういう物か理解してもらえればよいかなと思います。
動詞の後はなぜ違う??
ちなみに、smellに続く単語が「the thread」「a cat」「blood」と、「theつき」「aつき」「なにもつかない」の3パターンありますが、これにはそれぞれ理由があります。
どれも名前を示す「名詞」なのですが、英語は、名詞でも色んな種類に分けられるのですね。
まず、「the」というのがつくのは、#13でもご紹介しましたが「特定のもの」を指す時です。この場合は、“隙の糸(thread)”を指すため、「the」がついているんですね。
つぎに「a」ですが、この場合は「猫(cat)が壺を割った」ということなので、基本的には猫は一匹と思われるので、一匹の時は、名詞の前に「a」もしくは「an*」をつけます。
*anは、単語の最初がaiueoのいずれかの場合のみ。an eel(ウナギ)など。
最後に、「なにもつけない」ものがありますが、これは、数を数えることができない名詞(不可算名詞)に使います。
ここでは「blood(血)」ですが、血自体は液体なので、量として計量することはできても、ひとつふたつと数えられません。こういうものは、「なにもつけない(つけられない)」が正解です。
そのため、次のようなものも、同じく「なにもつけない」で書きます。
I smell ... sadness ...
(悲しい匂い……)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.2
※sadness=悲しみ、悲哀という名詞(発音)
このように、日本語だと「匂い」を主語にしたくなる文でも、英語はあくまでも匂いを感じている「自分」が主語になります。
そのため、日本語の文よりも、be動詞も一般動詞もたくさん出てくるのが英語なのです。
もう一つの「匂う」表現
実は、マンガでも、違う「匂いがする」表現があります。
こちらは先ほどの「猫の匂いがする」の前のコマです。
「Sniff」という単語がありますが、これは「クンクン匂いを嗅ぐ」という動詞です(以下は原作)。
英語圏のマンガ、アメコミは、日本みたいなオノマトペ(クンクンなど)を使わず、動詞をそのまま擬音語にすることがありますので、この「SNIFF」という表現も結構出てきます(序盤にね)。
それだけ、動詞というものが英語にとってとにかく当たり前に使うものということなんでしょうね。
本日のまとめ
・「I+be動詞」のように「I+一般動詞」で書けるが、意味は一般動詞の意味に従う
・「I smell ○○」=「(自分は)○○の匂いがする」
・名詞の前の「the」が特定、「a/an」は1個、「何もつけない」のは数えられないものを指す
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