iam_-_コピー__2_

鬼滅の刃で中学英語#2~「I」が大事な英語~

前回、「I am」を使った自己紹介表現をお話ししましたが、今回はもうちょっとそれを掘り下げて行こうかなと思います。

習い始めの中学1年生はもちろん、英語で色んなことを覚えて若干パンク気味の中学生・高校生が読んで、ちょっと頭の中でゴチャゴチャしていた物が整理されればよいなと思います。

まだ読んでいない方は前回「I amを使った自己紹介」もチェック

まずはおさらい

今回使うのも、前回と同じシーン、鱗滝さんと炭治郎の自己紹介のところです。

画像1

(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1)

画像2

まずは右側の鱗滝から、

I am Sakonji Urokodaki.
(儂は鱗滝左近次だ)

「儂(わし)」という表現が特殊かもしれませんが、それでも、

I am ○○=私は○○だ(です)

というのがわかりやすいですね。

では、鱗滝さんの自己紹介から、「義勇の紹介の人間か?」と聞かれ、炭治郎はどう言ったのでしょうか?

I’m Tanjiro Kamado.
(竈門炭治郎といいます)

でしたね(ちなみに、友だちならI'm Tanjiro.でもいいですよ)。

前回もお話ししたように、「I am=I’m」なので炭治郎の発した言葉は、

I am Tanjiro Kamado.
(竈門炭治郎といいます)

と言い換えることが出来ますが、日本語(原文)の方を鱗滝さんと見比べてみましょう。

I am Sakonji Urokodaki.
(儂は鱗滝左近次だ)

同じような英語の文章のハズなのに、日本語の方は二つほど違う所がありますよね?

違いその①「be動詞の日本語訳が違う」

翻訳版:I am Sakonji Urokodaki.
原作:儂は鱗滝左近次

翻訳版:I am Tanjiro Kamado.
原作:竈門炭治郎といいます

上記の太字を見比べてみましょう。

「英語は順序が逆になる」と聞いたことがあるかもしれませんが、ここでは「am」に相当するものが文のお尻の方に来ていて、それが、鱗滝さんは「だ」、炭治郎は「といいます」となっていますね。

同じ「am」の対応する訳の部分ですが、これだけ見ると全然違いますよね?

炭治郎の「○○と言います」という自己紹介の表現は、日本語の歴史の中で今の形になったもので、英語にはピッタリ同じ意味になる表現がありません

ですから、英語化するにあたり、一般的な自己紹介の文に書き換えられているわけですね。

だから、この場合の「am~」=「~だ」「~です」というニュアンスは正しいのですが、「am~」=「~といいます」という意味ではないので注意が必要です!

今は小学生から「apple=りんご」「car=車」というように習いますが、「物の名前」は「英語=日本語」が成立することはあっても、言葉の表現として使うもの(この場合はam)は必ずしも「英語=日本語」が成立するわけではない、と理解しておくことがとても大事です。

これを理解していないと、のちのち、やたら変な英文を書くようになっちゃいますからね!

そういう意味で、英語をいちいち翻訳するよりも、「自己紹介はI am+名前」のように、英文そのものを覚えた方がよかったりするので、この「鬼滅刃で中学英語」はその辺も意識してやっていきます。

違いその②「英文にはIがある」

翻訳版:I am Sakonji Urokodaki.
原作:儂は鱗滝左近次だ

翻訳版:I am Tanjiro Kamado.
原作:竈門炭治郎といいます

炭治郎の方を見てもらいたいのですが、原作の方に「I」に相当する訳の部分がないですよね?

これは、英語ならではの「文法のルール」です。

百聞は一見にしかずなので、次のシーンを見てもらえば早いです。
鱗滝さんの元で修行を始めた炭治郎が、ずっと眠ったままとなった妹の禰豆子のために日記形式で日々を綴った、独白のワンシーンです(妹想い感が出ていますね!)。

i強調つき

意味はわからなくてもいいですが、全部のセリフに「I」が入っていることがわかりますよね?

むしろ、「アイアイアイアイうるせー!」って感じなくらい。

では、原作はどうなってるかというと・・・

画像4

どこにも「I」に相当する言葉がない!

むしろ、「ホントに同じ意味なの?」とすら思ってしまいますね(もちろん、同じ意味ですよ!)。

細かい文法の話をするつもりはありませんが、これが、英語と日本語の根本的な違いだということを今は理解してもらえれば大丈夫です。

今回の例は、「自分」中心で話しているので、使われているのが「I」だけですが、これが「あなた」になればそれが「You」になり、「彼」であればそれが「He」になりますし、「ボール」なら「ball」になります。

これらはすべて「主語」と言われるもので、日本語の文には必須ではありませんが、英語の文には基本的に必須なものです

「英語って変だな~」と思うかもしれませんが、英語だけではなく、ヨーロッパ系の言語はこういう構造になっているようですので、「そういうもんだ」としか言えません。まぁ、歴史が違うと。

とりあえず今のところは、「英語はI(などの主語)が必要な言語」というところがわかってもらえればOKです。

本日のまとめ
・自己紹介文は「I am Tanjiro.」「I'm Tanjiro.」として覚える
・英語は、物の名前以外、英語=日本語とならないことがある
・日本語はそうでもないが、英語は「I」などの主語が必須
➡中学英語の範囲じゃないけど「I am」と「I'm」の違いについて

〈今回の出典元〉


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?