鬼滅の刃で中学英語#13~「柱」の紹介から英文の読み取り方を学ぶ 前編~
英語の文章は、コツをつかめば文の内容の理解がしやすい言語です。
逆に言うと、それを理解しないまま長文読解などをしようとしても自殺行為と言ってもいいでしょう。単語にある複数の意味から合うものを探すのに時間がかかったり、「動詞」と「名詞」で読み違えることもあります。
でもそれは、「英語の構造」を学ぶことで解決できることも多いのです。
今回は、前回、ちらっと紹介した「柱」を通じて、その辺のお勉強をしていきましょう。
「9人の柱」を英語で
『鬼滅の刃』の魅力の一つに、圧倒的に強い、主人公たちの先輩隊士「柱」がいることですね。
しかもその人数は「9人」と、数が決まっているのがいかにも少年誌。
(『ONE PIECE』の「王家七武海」とか「四皇」とか)
今回は「柱」の紹介文から、英文の読み方を学んでいきましょう。
以下は、『鬼滅の刃』第6巻の、柱の紹介シーンですね。
The Hashira ... are the nine Demon Slayer Corps members with the highest level of swordmanship.
凄く長い「柱」を紹介した英文ですが、実は中学2年生なら理解できるそこまで難しくない文なので、今回はこれを使います。
ここでは文を3つに分けて考えていきます。
なぜ分けるかというと、前にご紹介したのですが、英語は「前から結論を書き、細かいことを後で説明する言語」だからです。
これは、細かいことを先に説明する日本語とはずいぶん違います。
まぁ、説明するよりやってみた方が早いでしょう。
今回は、上記の文を、以下の3つに分けます。
①The Hashira are the nine
②(the nine) Demon Slayer Corps members
③with the highest level of swordmanship.
これを、一つずつ見ていきましょう
「主語+動詞+○○」を理解する
「I’m」の所で紹介しましたが、「I+am+○○」で、「自分は○○である」という意味でしたね。今回はその応用です。
まずは、前半部分、
The Hashira are the nine
「I」を「The hashira」、「am」を同じbe動詞の「are」に変えた文です。
「nine(ナイン)」は9ですね。
通常、数を伝えるだけなら「the」は使いませんが、「9」というものを特定の数にしたいときには「the」を使います。
だから、「the nine」で、「その9個」「9人」と表せるわけです。もちろんこの例では後者ですね。
そこから、以下のように訳せるわけですね。
①The Hashira are the nine
(柱は9人である)
この文を読んでどうでしょう?
文として成立していますよね。英語の特徴は、こうやって前からぶつ切りにしても意味が通じるということです。
これを、元々の原文である、「柱とは鬼殺隊の中で最も位の高い九名の剣士である」を前からぶつ切りにしたらどうでしょう?
「柱とは鬼殺隊」
・・・ではまったく意味が通じませんよね?
このテクニックは日本語には使えませんが、英語は結論が先に来る言語なので、前を読めば、文の大筋が理解できる性質を利用して長い文を前から細かく切って理解することがとても大事です(これを「スラッシュリーディング」と言います)。
とくに、「am」「is」「are」などのbe動詞を使った文章は、最初の文をシンプルに「I am ○○」のような形にするととても理解が早くなります。
名詞の数に注意する
では、②の部分を見ていきましょう。
(the nine) Demon Slayer Corps members
ここに、①で使った「the nine」を再登場させて、カッコで表示しました。これはなくても理解できる人は入れなくても大丈夫ですが、あえて、わかりやすくするために入れてみました。
#11で紹介したように、「Demon Slayer Corps=鬼殺隊」です。
英語の「翻訳」は、基本、まんま訳さない方がニュアンスが伝わるのですが、名前を表す「名詞」はそのままでいいので、ここでは日本語に変換しちゃいましょう。
ですから上記の文は、長い文に見えますけど、
(the nine) 鬼殺隊 members
という風に理解できますよね。
「members」とは、「member=メンバー、一員」の複数形です。
(普通、軍隊などの幹部は「officer」とされるのですが、原文が「隊士」なので、そのまま他の隊士と同じ「member」にしたと思われます。)
ただ、この「members」は複数形なのでどれぐらいの数なのかというのを説明しなければならない*のですが、それが「the nine」なんですね。
*#11で紹介した集合体としての「crows」とは違う一般的な使い方です。
そこで、数字との関係を見えやすくすると
the nine members
(9人の隊士)
と理解することができるのです。(あくまでも文法上では)「Demon Slayer Corps=鬼殺隊」はオマケな文と考えるとわかりやすくなりますね。
わからない英単語があっても英文が読める
でも、なんでこんなことができるかというと、「members」が「member」の複数形だということがわかったからです。
複数形は、たとえば「two apples(二つのリンゴ)」のように、「名詞+s」になったら、その前に数(かその代わりとなるもの、someなど)が必要になるんです。じゃぁ、それは何かというと、この文では数を表す「nine」です。
だから、そのことを知っていれば、長い文章にだまされずに、何がいいたい部分なのかを理解できて、②の部分は、
(the nine) Demon Slayer Corps members
(9人の鬼殺隊の隊士)
と訳せるんですね。
元々の名詞と、その複数形(最後にsがつく名詞は怪しい)がわかれば、こういった長い文章も正しく読むことができるようになるわけですね。
そういう意味で、英文が読めない、長文読解ができないという人は、英単語を覚えることはもちろん大事ですが、それ以上に、どういった英単語がどう働くか、ということを理解しておく方がもっと大事だと知っておく必要があるよってことです。
というのも、それさえ理解しておけば、知らない英単語が出てきても、文の意味がつかめるからです。
だから、現状③までたどり着いてはいませんが、①と②を合体させて、
The Hashira are the nine Demon Slayer Corps members
(柱とは鬼殺隊の9人のメンバーである)
となった文で、何も知らない人が「Demon Slayer Corps」に使われる英単語がわからない人が見ても、「柱というのはDemon Slayer Corpsのメンバーの中の9人なんだ」ということがわかるからです。
この、「単語がわからなくても長文が理解できる」能力をつけないまま、英語の長文問題でいい点とり続けるのはなかなか難しいと思います。
結局「カン」とか「なんとなく」になってしまいますからね。
そのためには、英文のパターンをある程度覚える必要がありますが、それは今後ご紹介していきますのでご安心くださいませ!
➡つづき:英文の読み取り方を学ぶ後編
本日のまとめ
・「I am ○○」を発展させて、長文を理解することもできる
・「the 数字」で特定の数字だと意味づける
・複数形は前に複数である印(数字やsomeなど)がつく
・長文はカンじゃなく、仕組みで理解すれば英単語を飛ばしても理解できる
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