見出し画像

鬼滅の刃で中学英語#14~「柱」の紹介から英文の読み取り方を学ぶ 後編~

今回は前回に引き続き、『鬼滅の刃』第6巻の英語版、柱の紹介シーンの一コマから、英文翻訳の方法をご紹介していきますね。

hashira2 - コピー

The Hashira ... are the nine Demon Slayer Corps members with the highest level of swordmanship.

説明は後からついてくる

前回、文を次の①②③に分け、①と②の翻訳はやりました。

①The Hashira are the nine
②(the nine) Demon Slayer Corps members
③with the highest level of swordsmanship.

今回は最後の③の部分ですね。

with the highest level of swordsmanship
※with=意味を付加する前置詞(発音
※of=帰属を表す前置詞(発音

ここは「with」と「of」という二つの前置詞*があるので、「of」の前後で分けてもよかったのですが、今回はひとかたまりにしました。
*ヨーロッパ言語特有の名詞のく品で、地味に重要

というのも、「名詞A+of+名詞B」は「BのA」と訳せる、絶対に覚えたい文章表現で、

level of swordsmanship
(剣の腕のレベル)

と訳せるからなんです。

ちなみにこの「swordsmanship」は、

「swords(剣の複数形)」+「man(人)」+「○○ship*」

が合体した言葉で、「剣を使う人(swordsman)の技術=剣の腕」を表す、辞書にも載っている単語です。

*○○ship…「leadership(リーダーシップ)」「sportsmanship(スポーツマンシップ)」「friendship(友情関係)」など、名詞(liader等)を○○の立場、○○の姿、○○の関係、○○の技量など、形容詞のように表現することができ、ofの後ろにつく事が多い。
船のshipとスペルは同じですが関係ないらしい。

では、その前の「the highest」は何かというと、これは「high(高い)」を進化させたもので、中学2年で習う「最上級」と呼ばれるものですね。

詳しくは「比較級」の時に説明しますが、今はそのまま「最高の」という理解で大丈夫です。

だから、

the highest level of swordsmanship
(剣の腕のレベルが最高=最高レベルの剣技の)

となるわけです。

では、その前の、この③の分の一番先頭の「with」は何かというと、「with~」で「~にくっついている」というような意味合いになります。

それが発展して「with+○○(人)」で「○○と一緒に」という意味になると理解してもらっても中学生レベルではいいのかなと思います。

そこで、この③の文にあてはめて考えてみると

with the highest level of swordsmanship
(最高レベルの剣技を身につけている)

と考えることができますね。

合体させると……!

このように分解して考えると、「この文」の言いたいことがわかってくる。これが、日本語にはない、英語の文章の理解法です。

では、①~③をおさらいしましょう。

①The Hashira are the nine
 (柱は9人である)
②(the nine) Demon Slayer Corps members
 (9人の鬼殺隊の隊士)
③with the highest level of swordsmanship.
 (最高レベルの剣技を身につけている)

それぞれの文の意味が通じますね?

これをいい感じにくっつけると、

The Hashira are the nine Demon Slayer Corps members with the highest level of swordsmanship.

(英文の意訳)
 柱は9人での鬼殺隊の隊士で、最高レベルの剣技を身につけている

(原作)
柱とは鬼殺隊の中で最も位の高い九名の剣士である

となるわけです。

本来はもちろん、『鬼滅の刃』原作の日本語から英語に訳しているので、順序が逆なのですが、こういう考え方の元に英文が作られているということをぜひ知っていただきたかったので、こういう形にしました。

つまり、英文で大事なのは「柱とは9人」という結論から始めることで、日本語は「柱とはなんぞや」という説明から始める言語ってことですね。

もう、全然違いすぎてホント困りますよね!

鬼殺隊ならぬ、英殺隊が生まれそうなほどに・・・。

機械に正しく翻訳させるために

翻訳って面倒ですよね。

でも、この違いを理解しないまま、日本語をそのまま英語に翻訳しようとすると、「は=is」「~の中で=in」などをそのまま使ったりして、

とは鬼殺隊の中で最も位の高い九名の剣士である

The Hashira is Demon Slayer Corps in the best level nine swordsman.

みたいな文を創作してしまいがちなんです(昔の私です!)。

一見、正しく見えるんですが、正しくはないです笑。

本当に、英語を習い始めたときの、

「be動詞は、日本語の”は”みたいなもんだ」とか
「inは“~の中に”という意味だ」とか

教師の言葉を真に受けて、いざ英文を書く時にこういうことをする子が非常に多い!

日本語にはない、英文のルール、前置詞の使い方がわかっていないからです。

ためしにこの創作文をGoogle翻訳にかけてみたら、

画像2

ちょっとおかしな日本語に。

ハシラは、最高クラスの9人のデーモンスレイヤー隊です。

「の」の使い方がおかしいですよね?

では、元々の、『鬼滅の刃』英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』に書かれた英語文をGoogle翻訳にかけてみたら、

画像3

さきほどよりもずっと意味の通じる文になりましたね。

「の」の使い方が文にあった形になりました。

日本語の文法では「の」は助詞にあたり、文章の「雰囲気」「意味」を決めますが、英語の場合は、助詞がなく、「前置詞」がそれに近い役割を果たすという理解で現状はいいのかなと思います。

つまり、「前置詞」はしっかり覚えないと、文がメチャメチャになるよと。

日本語と英語は根本的にまったく似てない言語ので、文化的な背景も違うので、基本的な文の造り(文章構造)を理解していないとうまく伝わらないこともあります

子どもは将来はAIがみんな翻訳してくれると思っていますが、正しく伝えないとAIも理解してくれないのが現実です。

だからせめて、中学英語レベルの「基礎的な英語」はしっかり学んでいく必要があるんですね。

それさえできれば、AIも正しく理解してくれるでしょうね、将来は。

というのが今回のお話でした。

本日のまとめ
・「I am ○○」を発展させて、長文を理解することができる
・文を分けて考えてあとで合体させた方が英文を理解しやすい
・the highest level of swordsmanship=剣の腕が最高レベルの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?