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鬼滅の刃で中学英語#12~鬼滅英単語②鬼殺隊用語で複数形を知る~

前回に引き続き、『鬼滅の刃』英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』の英単語シリーズです。

今回は鬼殺隊のお話から、「単数形」と「複数形」の違いを簡単にご紹介していきます。

鬼殺隊は英語でなんていうの?

鬼を殺すための政府非公認組織「鬼殺隊」。

文字通り鬼を殺すための組織ですが、こちらは英語で「Demon Slayer Corps」

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There are few hundred members of the Demon Slayer Corps.
(鬼殺隊 その数およそ数百名)
※corps=部隊、軍隊、兵団を意味する名詞(コープスでじゃなくて、コーズと発音)

『鬼滅の刃』のタイトル翻訳『Demon Slayer』に「corps」を足したもので、鬼滅の部隊ということですね(あの『進撃の巨人』の調査兵団も「survey corps」です)。

どうしても「鬼殺」と「鬼滅」が一緒になっちゃっているのは英語では表現しきれないところなのでしょう。

まぁ、中学英語で「corps」を使うことはありませんが、「corporation=株式会社、法人、自治体」の略「corp.」としてなら見ることはあるかもしれません。

ちなみに、ドラゴンボールに登場する、ブルマの実家でホイホイカプセルのメーカー「カプセルコーポレーション」は「CAPSULE CORP」と表記されています。

「corp(発音はコー)」は単数形ですが、部隊を言う時は「corps」という複数形になります(部隊や軍隊は1つじゃないから?)。英語は「arm(腕)」「arms(武器)」のように、単数形と複数形で意味が変わる単語があるので、その一つです。

※上記のように単数形と複数形で意味が変わる語(名詞)は例外で、通常、名詞は意味ではなく物の数によって表現が変わります
数が一つの単数形は基本的に「a 名詞」「an 名詞」で表し、二つ以上の複数形は「名詞+s」「名詞+es」「名詞+ies」で表します。詳しくはまた別途解説。

鬼殺隊の階級は?

鬼殺隊には、10の段階があって、それには、古来より伝わる数の表し方、「十干(じっかん)」が割り当てられています。

十干とは、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」からなり、「木・火・土・金・水」の五行と、「陰・陽」を組み合わせてできています(5×2=10)。

この十干は、鬼滅の舞台の大正時代でも普通に使われていたランク付けの方法でした。

今では、占いで十干を使ったり、契約書や裁判記録などで「甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)」のみ使われています。かつては通知表も「甲・乙・丙」もしくは「甲・乙・丙・丁」で評価されており、宮沢賢治はオール「甲」だったとか

甲=木の兄=きのえ
乙=木の弟=きのと
丙=火の兄=ひのえ
丁=火の弟=ひのと
戊=土の兄=つちのえ
己=土の弟=つちのと
庚=金の兄=かのえ
辛=金の弟=かのと
壬=水の兄=みずのえ
癸=水の弟=みずのと

読みは「甲(木の=きの)」「乙(木の=きの)」のように、表記の漢字は違えど読みの最後で陰陽を表しています(え=陽、と=陰)。

とはいえ『鬼滅の刃』では、この五行とか陰陽という概念がストーリー上深い意味はないため、ムリヤリ英語にすることはなく、そのまま「固有名詞」としてローマ字表記されています。
(以下はDemon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.2

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There are ten ranks.
(階級は十段階ございます)
※rank=ランク、階級、地位という名詞(発音

「There are」を使った表現はまた別の機会にとりあげますが、「rank」が10段階あるということで、「ten ranks」と複数形になり、数が一つの時に使う「There is」とは違う「There are」になっているところがポイントです。

日輪刀は?

鬼殺隊の隊士の武器と言ったら「日輪刀」ですね。

最初に登場するのは1巻第6話です。
(以下はDemon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1

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The swords that the Demon Slayer Corps use are made from a special steel.
(鬼殺隊の持つ刀は特別な鋼で造られており)
We call them Nichirin Swords.
(その名を”日輪刀”という)
※sword=刀剣、ソード、武力(発音

「Nichirin Swords」!

「日輪」は太陽のことですが、そこはそのまま「Nichirin」でした。

「sword」は、ポケモンにもあるように「ソード」ですね。

ここの例では鬼殺隊の使う刀としての紹介なので、刀がたくさんあって1本だけじゃないため「swords(ソーズと発音)」という複数形になっているのがポイントです。(そのため、単数の「it」じゃなくて複数の「them」を使っています)

逆に言うと、1本の刀のことを話すときは、複数形ではなく単数形になり「s」はつきません(下記の例、同巻)

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Go on, draw your sword.
(さぁさぁ刀を抜いてみなぁ)
※draw=引く、引き抜く、描くという動詞(発音

上記の例では、炭治郎が持っている刀のことだけを指しているので、「swords」じゃなくて「sword」になっています(「a sword」とか「the sword」になっていないのは、「your」がついているからです)。

この辺は日本人にはなかなか理解できない表現ですが、ひとまずいきなり理解しようとはせず、今は「そんなもんなんだ」くらいに思っていただければ大丈夫です

現実、日本人に限らず、母国語じゃない人は結構間違えますし、それでも会話では通じます(テストでは×ですが)。ただし、前述の「corp」と「corps」のように意味が変わる複数形は気をつける必要がありますが、それは会話の中なら間違うことはないでしょう。

「Katana」って英語で通じないの?

なお、武器としての名称は「Nichirin sword」で、作中では上記のように基本的に「sword」が使われますが、英語の辞書に「katana」も載っていて、『Demon Slayer』でも、特別に説明が必要なときに「刀」を「katana」と読ぶこともあります。

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Nichirin Swords are also called color-changing Katana.
(日輪刀は別名色変わりの刀と言ってなぁ)
Their color changes depending on who is holding them.
(持ち主によって色が変わるのさぁ)

ちなみにここで「swords」になっているのは、日輪刀全般のこと=複数だからで、だから「is」じゃなく「are」、「Its」じゃなく「Their」を使います(最後のthemもそう)。

その他の鬼殺隊関連用語

ちなみに、鬼殺隊に関わる脇役たちの英語表記も合わせて載せちゃいますね。

鎹鴉(かすがいがらす)=Kasugai crow
柱=Hashira(まんま)
隠し=Kakushi(まんま)
継子(つぐこ)=Tsuguko(まんま)
※crow=カラス(発音

鎹鴉(かすがいがらす)の「鴉」部分のみ、カラスを意味する「crow」に。
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6

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善逸:Huh? Crow? But this is a sparrow.
(え? 鴉? これ雀じゃね)
輝利哉:Kasugai crows are generally used for communication, but not always.
(鎹鴉は主に連絡用の鴉でございます)
炭治郎:Kasugai crow...
(カスガイガラス)

善逸だけなぜか、カラスではなくスズメが割り当てられましたが、スズメは「sparrow(発音)」です。ちなみにプロ野球のヤクルトスワローズにも使われる「swallow(ツバメ、発音)」とスペルが似てますが別物です。

「単数」「複数」をまずは知る

ここでは、雀は「a sparrow(単数形)」、鎹鴉は「kasugai crows(複数形)」になっているのに気がつきましたか?

雀は善逸の手元に「一羽」だけなので「a sparrow」、輝利哉(きりや、黒髪の子)の話す鎹鴉は全般のことなので「crows」、炭治郎の肩に乗るのは一羽だけなのでこちらも「crow*」と「s」がつきません。
(*セリフなので「a」が省略されています)

このように、一つの単語を覚えても、使い方に細かいルールがあるのが英語の特徴です。

これは日本語にはないルールなので、慣れないと実にめんどい!……ですが、これは今後色んな例文を紹介していきますので、そこで慣れていきましょう!

本日のまとめ
・名前を表す「名詞」には、1つを表す「単数形」と、それ以上を表す「複数形」がある
複数形は「名詞+s」などのように、後ろに「s」がつく
・それに合わせて文の他の部分も変わる

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