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映画「まひるのほし」について

2024年7月キネマ旬報シアターにて鑑賞。
「暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE」という特集上映の中での1本である。
渋谷に観に行くことができなかったが、こちらで上映していただきありがたいものの、1週間で終わってしまうのが残念なかぎり。

この「まひるのほし」は確証はないのだが、下高井戸シネマで10年以上前に鑑賞したことがあるはずだ。
おそらくは、「優れたドキュメンタリー映画を観る会」で上映されたのだと思う。
というのもこの映画に出演されている舛次崇(しゅうじたかし)さんが来場されており、ワタシは上映後、握手してもらったことを覚えているのだ。
だが、肝心の映画の内容はほぼ覚えていない。
ということで、映画を観たわけだが、やはりまったく覚えていなかった。
特にこの映画では、複数の方々を追っているのだが、そのことすらまったく記憶になかった。
「女性」とひらすらお話したいというシゲちゃん(西尾繁さん)などは、インパクト絶大なので、覚えていても良さそうだが、まったく記憶になかった。
おそらくは、当時のワタシには舛次さんの描く画の方のインパクトが大きかったのではないだろうか?
アート映画ではないので、画そのものをつぶさに映し出されてはいないものの、それでも舛次さんの画は独創的で観る者を引き付ける力を持っている。

映画としては、本作と同時に観た「花子」に比べ、たいへん見易くできている。
それは、複数の人々を追っているため、いい意味で主題が拡散しているからだと思われる。

このように障がい者をテーマにしたドキュメンタリーはいくつもあるが、重たくならずに、軽く撮られていることに感服してしまう。
周囲に敏感であるはずの障がいのある人たちが、ほとんどカメラを意識していないのが素晴らしい。
もっともそこまでに関係性を構築するには、時間と労力が充分にかかったに違いないが…。

本作は、「4Kレストア」修復作品ということである。
16mmで撮影されたようだが、そのフィルムの粒状感がまったく失われ、あたかもビデオで撮影されたかのようである。
個人的には、フィルムの粒状感をある程度残すかたちが正しい「レストア」かと思うのだが、単純に「見やすさ」を考慮すれば、多くの人々にとってはこちらの方がようのかもしれない。

ともかく、こうして再度この映画を観られたことに感謝しなければならない。
そして、舛次崇さんは2021年に亡くなられたということである。
この映画が今後も繰り返し上映されることを願ってやまない。

2024年8月14日UP
※このテキストは、筆者がYahoo!検索(旧Yahoo!映画)に投稿したものを転載したものです。


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