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アプローチの方法を考える

これまでの自分のアプローチは
「こうやってやればいいやん」「この場合はこっちでしょ」「君の仕事はこれ!」という感じでした。
答えをその場で与えることが自分の役割のような気がしていました。
自分が担当する練習も、
「君は右にドライブして、君は左にうごいうてパスを受けてシュートね。はい、みんなこれを同じように何度もやりましょう」という感じでした。
同じ動きを何回も何回も繰り返し行っていさえすれば、人は半永久的に右肩上がりの上達をみせ、完璧に近づいていくというイメージでした。

でも、よく考えるとそれは自分の運動経験や、これまでのコーチとしての経験と照らし合わせるとすごく矛盾する考えであることに気づきました。
僕は誰よりも個人練習をしたけど、ある一定のレベルから上達することはなかった。誰よりも個人練習をしていたはずなのに、対人練習や試合に出ると緊張して思うようにプレイすることができなかった。一番個人練習を積んでいたのなら一番うまくならなければおかしいし、シュートの技術も他より格段にうまくなければなりません。
また、逆の経験もしました。僕はミニバスも何もやったことがなかったけど、初めてバスケットボールを触ったときから周りの誰よりも上手でした。上級生を含めた試合でも何点も得点できたことを思い出します。

このどちらの経験も、反復練習の優位性を否定する証拠にはなりませんが、すくなくとも反復練習してさえいれば上達するという仮説は否定できます。


プレシーズンの練習が始まって数週間が経ちます。
選手がどう感じているかわかりませんが今シーズンはちょっと違うアプローチをしようとしています。
もちろんそのほうが選手をうまくできると信じているからです。
前述したように私はこれまで即席の答えを教えて、そのとおりに動けばうまく練習ができるようにアプローチしてきました。
答えを教えられて、そのとおりに答えたら100点を取れるのは当たり前です。
でもそれはバスケットボールをプレイしていると言えるでしょうか。今の僕には非常に無機質で、退屈な運動に見えてしまいます。

僕は常にに問題を提起する存在で有りたいと考えています。
プロブレム・セッターと呼べます。
プレイヤーが考えたり、状況を判断するための問題を常に提起し続ける存在です。


これまで答えを与え続けられてきた選手にとっておそらく、すごく難しい課題だと思います。
しかし、「お、うまい!」とつい口をつくプレイが増えてきているのがとても嬉しいです。

またこの課題について書いてみたいと思います。

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