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noteで学べるシステマ講座 第2回「何を目指してシステマをやるのか」

システマには、段位や大会がありません。

段位があれば昇段が目標になるでしょう。大会なら優勝が目標になります。

試合がないという合気道だって昇段や演武会があります。それを目指して稽古に励む人もいるでしょう。

念願かなって手にする黒帯、努力の結晶としての金メダル。それらはかけがえのない思い出として刻まれ、大きな自信となるものです。私自身、試合や段位のある格闘技や武道の経験者なので、それらの大きな喜びを十分理解しているつもりです。

でもシステマには試合がありません。段位もありません。だから優勝や昇段をモチベーションの糧にすることができません。目指す目標がないことに張り合いのなさを感じて、システマトレーニングから遠ざかる人もいます。

そこそこビジネスに通じた人がミカエルに提案するのが「システマは試合も段位もなしでここまで広がった。もしそれらを導入したらもっと大きなビジネスになるはずだ。」もちろん、ミカエルは金銭的なメリットがあることを理解しています。大会でも開けば、MMAやBJJみたいな世界的なスポーツとして、今とは比較にならない規模で広がるかも知れません。でもミカエルは決まって、断ります。

ミカエルは実業家としての顔も持ちます。だから精神論や建前が理由というわけではありません。メリットとデメリットを計算したうえで、「デメリットが大きい」という判断で、試合も段位制度も採用せずにいるのです。

ではなぜ、デメリットが大きいのか。

人口が増え、経済的に潤う以上のデメリット。ミカエルがそう考えているのは一体なんなのでしょうか。

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