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noteで学べるシステマ講座 第26回「マスターからの学び方」

巨大なジャンプ

2006年、初めてトロント本部を訪ねた時に、何かと世話を焼いてくれたインストラクター、スコット・コナーと車中でこんな会話をしました。

「タカは夏のサミット・オブ・マスターズにも来るのか?」

私が訪ねたのは4月末。同じ年の夏にはミカエルも参加するシステマ・キャンプ「サミット・オブ・マスターズ」の開催されることになっていました。

「参加しようと思う。ミカエルに会ってみたいし。」

するとスコットは答えました。

「それはいい。ミカエルは『巨大なジャンプ』をもたらしてくれるから。」

「『巨大なジャンプ?』」

「そう。私はミカエルに会うまで、ぼちぼちのインストラクターだった。でもミカエルに会ってから、レベルが飛躍的にアップしたんだ。」

スコットは当時、シニア・インストラクターとして日本や他の国からセミナー講師として招かれていました。その実力はミカエルによって引き上げられたものだと言うのです。

サミット・オブ・マスターズでは、当時はまだ珍しかった日本からさらに夫婦で参加したこともあって、ヴラッドとミカエルにとても良くしてもらいました。それで何度も技を受け、森林や暗闇ワーク、200人規模のマスアタックなども初体験して非常に充実した時間を過ごしました。システマキャンプがまだ未体験の人はぜひ参加したほうがいいです。それらを通じてミカエルに「引き上げられた」という実感もまた、確かにありました。

まあシステマには試合も審査もないので確かめようがないのですが、キャンプの前後で動きやシステマに対する理解度などもまるで変わって、「これが『ジャンプ』かあ」としみじみ感じ入ったものです。

サルサのステップ

これは繰り返し言っていることなのですが、いまの私があるのはひとえにミカエルのおかげです。ミカエルが私のレベルを勝手に引き上げてくれるのです。自助努力で向上できる幅は、このミカエルが引き上げる幅に比べたら微々たるものです。「巨人の肩に乗る」といいますが、まさにミカエルがその「巨人」なのです。

なぜこんなことが起こるのか。とても不思議な感じがしますが、Netflixで「Cobra Kai」を見ながらはたと気づきました。

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