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最近作った本の紹介

2021年12月追記

最近システマ本は出してないけど本は作ってます

もともと北川はライターだったので、書くことがそれほど苦ではありません。世の中には話すほうがラクな人と、書くほうがラクな人の2種類がいますが、わたしはもっぱら書くほうです。

そのためシステマ関連ではたくさん書かせてもらいました。

最近、めっきりシステマ関連の本を出してないのですが、まったく書いてないというわけでなく、人の本を作ってました。

まずはこの本。

ビル・ロビンソン伝 キャッチ アズ キャッチ キャン入門

世界の武道、格闘技の全体像をつかもうと思ったときに、レスリングの歴史は欠かせません。意外に謎のベールに包まれているのが、レスリングです。現在、広まっているのはオリンピックルールに特化したオリンピックレスリングがほとんど。それ以前の技術を学べるところはほとんどありません。それでより原型に近いレスリングを探していたところ、紹介されたのがプロレスラーの鈴木秀樹さんでした。

伝説的レスラーであるビル・ロビンソン氏に師事し、その技を使ってプロレス界を席巻している。この人の技術本をぜひ読みたいと思ったのですが、ありません。ないなら作ってしまえと、自分も「システマ・フットワーク」などを出した日貿出版社に持ち込んだ企画が「キャッチ アズ キャッチ キャン入門」でした。

書籍を作るからには実際に自分もやらなくてはいけないと思い、世話人として「鈴木秀樹のキャッチ アズ キャッチ キャンの教室」を運営しています。本が出て3年ほど経ちますが、いまでも教室は続いています。

北川の名前にシステマのイメージが強いこと、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの書籍にその色をつけたくなかったので、奥付やあとがきから私の名前を削ってもらいました。なのでこの本のどこを見ても私の名前は有りません。

中井祐樹の新バイタル柔術

「キャッチ アズ キャッチ キャン入門」はなかなかの大仕事でしたが、それ以上の大仕事が次の「中井祐樹の新バイタル柔術」でした。だいぶ昔に出た「バイタル柔術」の完全リニューアル版です。

この本は日貿出版社編集S氏と「柔術界のレジェンドである中井祐樹先生の技術本がずっと出てないのは問題だ」という共通認識で企画を立てて制作しました。とは言え企画が通った時、私はしがない白帯柔術家。本を作るにはやりこまないといけないと思って柔術道場に通い詰めて、制作中盤頃に青帯になりました。青帯もまだまだ初心者レベルですが、「白帯が作った本」というのはどうも具合が悪い気がしたのでまあ良かったです。この本を作る過程で技の理解が進んだこともあって、比較的スムーズに紫帯になることもできました。

これら2つの大作技術本は、いずれも私が著者にインタビューして内容をまとめるという方式で進めました。

捻くれ者の生き抜き方

「キャッチ アズ キャッチ キャン入門」の鈴木秀樹さんの本第2弾。

鈴木秀樹さんの人柄や考え方がとてもおもしろかったことから、成り行き的に制作が決定。プロレス界隈で話題になってるようでよかったです。自力で仕事を作って生きる者同士、共感できることが多いです。個人的には鈴木さんの言うことはアドラーっぽいなあとか思いながら聞いてました。「嫌われる勇気」ですね。

親子で楽しむ柔術あそび

この本は「親子向け柔術の本を出したがっている人がいる」という話を聞いて、著者を紹介してもらったの制作でした。

私自身、システマの親子クラスをやっていましたが、スケジュールの都合で閉鎖していらい、子どもに関わる活動をしていません。なので「子どもに何か武道や格闘技をやらせたら何がいいか?」という質問には「ブラジリアン柔術」と答えていました。子どもには打撃より組技のほうがいいというのが持論です。親子クラスを始めた頃、子どもにストライクを教えたら幼稚園で友達を殴ってしまったことがありました。それっきり子どもに打撃を教えるのはとても慎重になっています。やはり教える時期というのがあるようです。

投げ技系は危険が伴うので、寝技がメインのブラジリアン柔術なら比較的安全です。それに転がっての全身運動なので、偏りなく基礎体力を伸ばすという意味で有益です。

親子クラス以外の形で、世の中の子どもと子育て世代の親御さんに貢献したいと思っていたところの打診だったので、お手伝いすることにしました。

著者の秋川さんが指導する親子クラスがとてもクオリティが高く、主張も明確で共感できることだったので、コロナ騒ぎでスケジュールが狂った以外はとてもスムーズに制作できました。

2021年12月に出版されたのはこちらです。

「魔女トレ」
こちらはバレエのメソッドをベースにしたボディワークの本です。
あしゆびから全身を整えるエクササイズとても効果的だとアスリートたちに人気だったので、書籍化を企画し、編集作業を手伝いました。
この本の制作を通じてあしゆびの重要性を再認識したので、それ以降、念入りに足の開発に勤しんでいます。それが講じて、知り合いのバレエ教師に頼んで10回セットの個人レッスンもやってもらいました。外部のメソッドを身体に通すと、いかに自分の動きが穴だらけかがよく分かって、わくわくします。この本には、一般人からアスリート向けまで、誰にでも共通するエクササイズを著者自身が厳選して掲載しているので、多くの人に役立つと思います。ぜひ手にとってみてみてください。

こうやって他のジャンルの本を作るお手伝いをするのは、システマの認知向上には武道や格闘技界隈全体の認知度をあげる必要があると考えたからです。

世間の人は、システマもクラブマガも区別できないのは当然、空手も柔道もプロレスも区別できません。おそらくごちゃっと「なんか殴ったり投げたりする人たち」としてひとくくりにされています。

おそらくそういう人たちが世の中では多数派です。

その層にシステマを役立ててもらうには、武道や格闘技カテゴリ全般がより市民権を得る必要があります。武道・格闘技カテゴリというパイ全体を広げる必要があるのです。だからまあとても遠回しなのですが、いちおう私にとってはシステマの一貫なのです。

また何よりも特権なのは、制作の過程でそのジャンルの一人者の頭の中を隅々まで探求できること。こんな贅沢なことはありません。だから本の制作でいちばん得しているのは私です。ほんとうにありがたいです。

とはいえ、私にできるのは企画、構成と文章の制作まで。デザインなどその他膨大な作業はSさんがほぼ一人で担っています。編集からカメラマンまでなんでもこなすSさんのマルチぶりには脱帽です。どんだけスキルあるんだって感じです。

これからも私が読みたいけどこの世にない本があれば、Sさんに呼びかけて作っていこうと思います。


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