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株式会社infonervを設立した話

この度、情報技術で社会を変革する会社、株式会社infonerv(読み:インフォナーヴ)を設立しました。

この記事では、どういう考えで会社設立に至ったのか、私がこれから何をしたいのか、といったことについて現在書ける範囲で記録しておきたいと思います。

私について

この記事をわざわざ読んでくださっている方はある程度ご存知かもしれませんが、私は現在(も引き続き)東京大学先端科学技術研究センターの先端物流科学寄付研究部門というところで特任講師をやっている、数理データ解析を専門とする研究者です。最近はデータ分析に関する入門書を二冊程上梓していたりもします。

研究分野としてはこれまで分野を超えて色々なものに手を出していて、その関係で、データや問題設定が変わると選択される分析手法も大きく変わり、それらをどう選べばいいのかということが最近何となくわかってきたなという気がしているところです。

会社を設立した理由

会社を設立したのにはいくつか理由があります。

まずは世の中の所謂DX化、Society 5.0に向けた社会変革etc. の流れがあります。私は現在、物流の講座に所属していて、今後の物流をデータ・「AI」を使って革新していく研究に取り組んでいます。現在日本の物流は働き手不足や配送の小口化などにより危機的な状況で、産業界や国はかなりの危機感を持ってこうした取り組みを進めていこうとしています。さまざまなデータをシェア・集積してオペレーションを効率化していこうという方向性に(恐らくどの業界でも)向かっていくと考えられますが、「その時データを活用したサービスを誰が作るんだろう?」と考えたときに、それができるプレイヤーが現状、非常に少ないのではないかというのが私の実感です。というわけで、

「じゃあ自分がやるか」

と思ったのが一つ目の理由です。

二つ目の理由。研究者である私が起業するというのは(最近そういうケースは増えてきましたが)、なぜ?と訊かれるポイントであると思うのですが、そもそも私は最初からどこかのタイミングで起業するつもりで、そのようなチャンスをずっと伺っていました。寧ろ、なんでさっさと起業せずに研究者を続けていたのかという問いに答えるべきかもしれません。私の人生の基本理念として、「人と同じこと(誰かによって代替可能なこと)をしたくない」ということがあります。例えば大学を卒業してすぐ起業して事業がうまくいったとしても、「そういう人他にもいっぱい居るよね」(そんなには居ないと思いますが)と思ってしまう面倒な性格なのです。人と違うことをしたいなら起業する選択肢が有力ですが、普通に起業するだけでも面白くない、ということで私が選んだのは、「研究者と事業家の二刀流でかつどちらもお遊びじゃなくてガチでやり、それらを高い次元で融合させることでしか生み出せない新しい価値を出す」ことを目指す選択肢でした。

もちろん、その他にも月並みな細かい理由(単に面白そうだからとか、時間的・経済的に縛られない状況を作りたいとか、人の役に立ちたいとか)は沢山ありますが、いずれにしても、ようやくやりたかったことのスタート地点に立てました。

で、ビジネスできんの?

流石に一人でやろうとは考えていなくて、ビジネス面に関して非常に優秀な共同創業者がいます。彼は中高時代の後輩で、今回の創業に至るまでに相当な議論を重ねてきました。そのなかでかなりの数のビジネスプランがボツになりましたが、今回、あるアイディアについてコアニーズの実証ができ、満を持して「行ける」という確信を得たのでようやくスタートした次第になります(具体的な創業事業に関しては近日中にアナウンスできると思います)。

他のAIベンチャーとの違いは?

現状のAIベンチャー企業の全てを知っているわけではないので想像も含めですが、全体的に、

大企業とガッチリ組んでコストをかけて開発を行う 

or 価値の出し方が確立した方法論を売っている 

or バリューが良くわからないものを雰囲気で売っている 

or 実現可能性が際どい又は時間のかかる技術開発に投資している

のどれかにカテゴライズされる会社さんが多いのではないかと思っています。個人的な意見ですが、現状、多くの人が注目している技術や、目指すべき指標というのが一つの方向を向きすぎているような気がしています。私は、もっと別の視点でデータや手法、マーケットを眺めるとまだまだ色々なチャンスが転がっていると信じているので、そのあたりで新しいことにチャレンジしていきます。

データを活用して実際にお客様からお金をいただけるほどの価値を出すということは非常に難しく、技術的に可能なことの領域とマーケットニーズの領域の間で、僅かに存在する「サービスが成立する領域」を見つけ出さなければいけません。このためには、深いドメイン理解は当然として、データの性質に関する理解、技術に関する広い理解が必要です。このあたりを踏まえて経営者として正しく意思決定することができれば、結構面白いんじゃないかと思っています。

次回へ続く

今回の記事は会社設立第一報ということで、何がしたいかということに絞って紹介しましたが、実際にどういう風に会社が出来たかという話も追ってどこかで書ければと思います。

エンジニアさん募集

infonervでは一緒にサービスを作ってくれるエンジニアさんを募集しています。もしご興味あればTwitterのDMや弊社コンタクトフォームなどでご連絡いただければと思います(詳しいことは固定ツイートにもあります)。

https://twitter.com/tkEzaki

それ以外の職種も今後募集するかもしれませんので、最新情報を知りたいかたは(しょうもないツイートも流れてきますが)上記アカウントをフォローしていただけますと幸いです。

取材のご依頼など

メディアなどで取り上げてくださる場合は大歓迎ですので、下記フォームよりご連絡頂けますと幸いです。

https://infonerv.com/contact/


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