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MD421-ⅡとMD421-Uを比較してみる

通称クジラ

ギターやドラム、パーカッションなどのレコーディングに欠かせないMD421-Ⅱ通称「クジラ」というマイク

レコーディングに興味がある人にはおなじみのマイクですが現行のMD421-Ⅱと世代の古いMD421-Uで音が違います。
調べてみると現行のMD421-Ⅱは「製造工程の簡略化が図られており、アルニコマグネットが使用されていない」とのこと。
モデルチェンジや復刻などの際は今まで使っていた材料が手に入らなくなったなどの理由で仕様が変わることはよくあります。ということは残念ながら音も変わります。エフェクターで「~年の仕様が音が良い」というのもよく聞く話です。
クジラの特性はドンシャリと言われていますが、MD421-Uはズンシャリと言っていいかもしれません。


音を聴いてみる

フロアタムで比較してみました。
I/F:iD44 
マイク:AT4040、MD421-Ⅱ、MD421-Ux2

録ったままの状態を出力したファイルは下のURLからどうぞ。
https://drive.google.com/drive/folders/101i0D7Cs5rWrQehYaA-qLMrE0JzgyGgk?usp=sharing
録音時クジラ三本のゲインのつまみは全て同じ位置にしてあります。
※動画で流れる音声は位相、音量の調整をしてあります。

フロアタムはYD9000Aの16インチ

パッと聴いた感じはMD421‐Ⅱの方が音が太く圧を感じますがMD421‐Uは実際の楽器の鳴り方と同じ音の動きをしているように思います。MD421‐Uを基準にMD421‐Ⅱの音を聴いてみるとモコっとした印象を受けるはずです。
ファイルをダウンロードしてみてオンマイクだけで聴いてみるとより実感しやすいはずです。

MD421-U_Rはゲインが低く動画で使う際に音量を上げています。
これは経年による劣化なのか個体差なのかは不明です。マイクホルダーの形状が違うので製造された時期も異なるはずです。


目でもわかる違い

一番上がMD421-Ⅱ、下二つがMD421-Uです。
アタックの鋭さもうですがディケイの形がMD421-ⅡとMD421-Uとを比較すると若干違うのがわかります。
図で書くと

マウスとペイントで頑張った

矢印の部分の角度がMD421-Uの方が急で波形がスリムです。
MD421-Ⅱがモコっとしているのはこの角度が緩いからということでもあるかもしれません。


ロー抜け問題

どうやらMD421-Uは低域を拾う(伝える?)コイルが極細らしく断線してしまい低域が出力されないことが良くあるようです。オークションでも説明文にロー抜けはありませんと書いてあることがあります。
とあるブログに写真が掲載されていましたがあまりにも細く落としただけで一大事という感じでした…分解して確認するのも憚られるレベルの細さです。

「ということはMD421-Uがロー抜けしてるだけでは?」

と思った方のために深くハイカットしたものを動画化したのでこちらもどうぞ。それぞれのマイクで一発ずつ鳴らしています。

自分も初めてMD421-Uを聴いたときはロー抜けしてるだろこれ…!と思いましたがこうやって聴いてみるとロー抜けは無いようです。らっきー


もう一本欲しい…

ということでMD421-ⅡとMD421-Uの比較でした。
上の方でも書きましたが改めてMD421-Uの音を聴くと音の動き方が楽器に近く演奏そのままを切り取るという意味ではMD421-Uの方が好みです。無駄なふくらみもないのでMixでも便利なはずです。
もちろんふくらみが欲しい場合はMD421-Ⅱを使うのも一つの手です。
地元のスタジオにMD421-Uが二本置いてありますがこれらもほぼ同じ特性でロー抜けしていないようです。せっかくなのでロー抜けした音も聞いてみたいですがロー抜けした個体をあえて手に入れたくはないですね…

基本自分はいわゆる3点セットで演奏することが多いですが3タム構成の録音もできるようにしたいのでオークションなどでMD421-Uを見つけたらこそっと教えてくれると助かります。
もしくは誰か譲ってください…


宣伝

ということでドラム音源作ってる検証大好きおじさんのあーさーでした。
週に1~2記事程度小ネタを投下していけるようにせっせとネタ出しと録音などしてます。
現在販売、制作中の音源はMD421-Uを手に入れる前に作ったものなので今後の音源にご期待ください。
下のnoteにドラム音源や打ち込みの依頼に関しての情報に飛べるのでそちらもぜひチェックを。

投げ銭してくれると喜びます。
それかカスタネットの音源でも買ってってください。
200円です。実際安い。


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