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【英日対訳】ホアキン・フェニックスが英アカデミー賞授賞式で本当に言いたかったこと「私たちの手で差別の構造を解体しよう」|英BBC (2020.2.2)

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公式ツイート

原文ソース

英日対訳

I feel very honored and privileged to be here tonight. BAFTAs have always been very supportive of my career and I'm deeply appreciative. 

今夜この場に立つことができることを、とても光栄な、栄誉あることだと感じます。BAFTA [英国映画テレビ芸術アカデミー] はつねに私のキャリアの大きな支えでありつづけてきました。そのことには深く感謝しています。

But I have to say that I also feel conflicted, because so many of my fellow actors that are deserving don't have that same privilege.

しかし同時に、私は困惑を隠せません。なぜならこの賞を得るに相応しい多くの俳優仲間たちが、同じ栄誉にあずかれないからです。

I think that we send a very clear message to people of color that you're not welcome here. I think that's the message that we're sending to people that have contributed so much to our medium and our industry and in ways that we benefit from.

私たちは、有色人種の人たちに、あなたたちはこの場に歓迎されていないという明確なメッセージを送ってしまっています。私たちが活動する媒体と業界に大いに貢献し、私たちに多くの利益をもたらしている人たちに。

I don't think anybody wants a handout or preferential treatment, although that's what we give ourselves every year. I think that people just want to be acknowledged and appreciated and respected for their work.

お情けで賞をもらったり、特別扱いされたいとは、誰も思わないでしょう。私たちは毎年自分を特別扱いしていますが、誰もが、仕事の功績を認められ、評価され、尊敬されたいと思うのではないでしょうか。

This is not a self-righteous condemnation, because I'm ashamed to say that I'm part of the problem. I have not done everything in my power to ensure that the sets I work on are inclusive. 

自らを正当化するための批判ではありません。恥ずかしながら、私もこの問題の一部だからです。これまですべての現場で多様性を尊重すべく、最大限の努力を払ってきたかと言われれば、けっしてそうではないからです。

But I think that it's more than just having sets that are multicultural. I think that we have to really do the hard work to truly understand systemic racism.

ただし、それはセットに多様な文化を反映する、ということではなく、自ら身を置く業界の構造的な人種差別と真に向き合うことに力を惜しまない、ということだと思います。

I think that it is the obligation of the people that have created and perpetuate and benefit from a system of oppression to be the ones that dismantle it, so that's on us.
Thank you.

この構造を解体する側に回るのは、この抑圧の構造を作り、永続させ、甘い汁を吸いつづけてきた者の義務だからです。そう、私たちの義務です。

ありがとうございました。

和訳のみ

今夜この場に立つことができることを、とても光栄な、栄誉あることだと感じます。BAFTA [英国映画テレビ芸術アカデミー] はつねに私のキャリアの大きな支えでありつづけてきました。そのことには深く感謝しています。しかし同時に、私は困惑を隠せません。なぜならこの賞を得るに相応しい多くの俳優仲間たちが、同じ栄誉にあずかれないからです。

私たちは、有色人種の人たちに、あなたたちはこの場に歓迎されていないという明確なメッセージを送ってしまっています。私たちが活動する媒体と業界に大いに貢献し、私たちに多くの利益をもたらしている人たちに。

お情けで賞をもらったり、特別扱いされたいとは、誰も思わないでしょう。私たちは毎年自分を特別扱いしていますが、誰もが、仕事の功績を認められ、評価され、尊敬されたいと思うのではないでしょうか。

自らを正当化するための批判ではありません。恥ずかしながら、私もこの問題の一部だからです。これまですべての現場で多様性を尊重すべく、最大限の努力を払ってきたかと言われれば、けっしてそうではないからです。ただし、それはセットに多様な文化を反映する、ということではなく、自ら身を置く業界の構造的な人種差別と真に向き合うことに力を惜しまない、ということだと思います。この構造を解体する側に回るのは、この抑圧の構造を作り、永続させ、甘い汁を吸いつづけてきた者の義務だからです。

そう、私たちの義務です。

ありがとうございました。

noteをご覧くださりありがとうございます。基本的に「戦う」ためのnoteですが、私にとって何よりも大切な「戦い」は私たち夫婦のガンとの戦いです。皆さまのサポートが私たちの支えとなります。よろしくお願いいたします。