7月24日 第75号 見せない

自分をコントロールできる人、というのを、社会に出て、もしかしたら、はじめて知ったかもしれません。学校の先生は、その日の機嫌でいい人にもなれば、悪い人にもなった、そんな記憶です。全然一般的な話ではないですね。

今思えば、両親も、子供には見せない姿があったのかもしれないな、とふと思います。

会社に来れば、嫌な気持ちをする日があるのも当然だし、やりたくないことをやらなければならないときだって訪れます。それを、同僚、部下、上司に感づかれることなく、気づかれることなく、粛々と自分のなすべきことをする。パフォーマンスが落ちそうだったら、有休をとる。文章にすると、当たり前のことですが、どれだけの人がこれを実行できているでしょうか?

頑張りを見せつけることは簡単ですが、ネガティブを見せない、という技もあるのだなと、実感したのは、自分が働きだしてからだと思います。

デザインという言葉は、不要なものをそぎ落とし、洗練させていくということが語源になっていると聞いたことがあります。見た目がよいものに飾り付けて仕上げる、というのは、その起源にないという話です。キラキラ輝くのは、鈍い痛みを外部に決して漏らさない、内なる強さであるのです。



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