見出し画像

DMM亀山会長の発言を読み解く

昨今のコロナウイルスの蔓延により、多くの経営者の方や個人事業主の方が事業継続に不安を抱えておられることを、ニュースなどで見聞きしております。

そんな中、NewsPicksのタイムラインで流れてきたlogmiの記事で、亀山さんが経営者の目線で、こんなことを仰っていました。

俺が言ってるのは、PL(損益計算書)上での救済じゃなくて、BS(貸借対照表)のロックダウン。CF(キャッシュフロー)の応急措置。安倍さんや小池さんが、まずは「支払い猶予」の協力を要請してから、PL上の救済はそのあとでやればいい。(一部引用)


間違いなく、なんか良いことを言っている気がするけど、納得感を持って「なるほどね!」とは言えず、モヤモヤした感じが残るやつです。

なので、ひとつひとつ噛み砕いて、自分のために説明していきたいと思います。

まずは、コメントに出てくる難しそうな3つの用語を2文くらいでまとめてみます。

その後、私なりに亀山さんの発言を噛み砕いてみたいと思います。

PL(損益計算書)

PL(損益計算書)で主に扱われるトピックは、『売上』『費用』『利益』の3つです。
これらを用いて、「その企業がその1年でどれだけ儲けることが出来たのか(=利益を出せたのか)」を説明しています。

BS(貸借対照表)

BS(貸借対照表)には、『資産』『負債』『純資産』の3つのトピックが主に登場します。この3つを使って、「その企業がどれくらいの貯金があるのか(=財産があるのか)」を説明しています。

CF(キャッシュフロー)

CF(キャッシュフロー)では、「企業が何にお金を使ったのか(=キャッシュフロー)」が説明されます。営業キャッシュフローについてはプラス、投資・財務キャッシュフローについてはマイナスが好ましいとされています。

まあ、ここまで調べても、「へー」くらいな
感じです。

ひとつひとつの点は見えましたが、まだそれがどのように繋がっているかが見えていません。

倒産する仕組み

では、次に亀山さんのコメントの全体像を見てみたいと思います。

まず、この発言の前提として、亀山会長は「会社は一回倒産すると、失うものが多すぎる(要約)」と仰っています。

この言葉は、「企業はなるべく倒産しない形で、この自粛による不況を乗り切るべきだ」と、読み替えることが出来ます。

一般的に、「倒産」とは「払わなきゃいけない代金を払えなくなる(=債務不履行により経済活動が継続出来なくなる)」ことで、発生する事象です。

一方で、今回政府や都が打ち出している給付金は、あくまで一時的な給付金です。

そのため、一時的にボーナス(給付金)は入るけど、それ以上に出ていくお金が多い場合については、結局、支払えなくて倒産してしまう(=債務不履行により経済活動が継続出来なくなる)ことになります。

亀山さんの言いたいことを言い換えると

(原文)

俺が言ってるのは、PL(損益計算書)上での救済じゃなくて、BS(貸借対照表)のロックダウン。CF(キャッシュフロー)の応急措置。安倍さんや小池さんが、まずは「支払い猶予」の協力を要請してから、PL上の救済はそのあとでやればいい。

↓↓↓↓

(おじさん解釈)

企業が倒産すると、たくさんのものを失うことになる。これは、非常にもったいない。
今はたくさんの企業がキャッシュがなくて困っているのだから、給付金の配布(=PL上での救済)ではなくて、企業の支払い期限に猶予を設ける(=BSのロックダウン)ことで、企業が債務不履行に陥るのを防ぎ、倒産しないようなサポートをするべきではないか。


最後に

難しいテーマのニュースは、どうしても背景や前提が省略されて、難しい略語が多用されている印象があります。

ただ、説明しなくてはならないものがあまりに多い場合、最小限の文量で、多くの情報量を伝えようとすると、どうしてもそのような方法を取らざるを得ないのだとも思います。

なので、今回のように、意識的に背景や略語を調べていくことで、少しずつ「分かる」ニュースを増やしていけたらと思いました。

おすすめの本

財務諸表についてこれから勉強される方には、この本がオススメです。

ドトールや、ニトリなどの財務諸表を取り扱いながら、財務3表を学ぶことが出来ます。

クイズ形式で進んでいくので、飽きずに最後まで読めると思います。


(つづく)

[参考記事]


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?