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【雑記】純粋な読者として小説を読む時のことを考えてみた(6)

さて、書けば書くほど自分自身へのブーメランとなってくる考察だが、次はオチについても考えてみる。

経験上、冒頭部で惹き込まれ、途中で読むのをやめた小説は少ない。
最後まで読んで、「なんだ、そういうオチかよ」と落胆することはあるけど、一般のエンタメ長編の場合、そこまでイラっとはしない。
むしろ最後まで楽しませてくれてありがとう、という気持ちのほうが強い。

一番いいのが「そんなオチだったかー」とか「やられたぁ」という感想のオチ。これが一番で、その作者の別の小説も読む。
普通なのは「ああ、そっちね」とか「やっぱり」とかの感想。
でも作者のなんとかしてオチをつけようという意図もわかるので、好感が持てる。これでも十分。
小説として、作者が伝えたいことがわかるようなオチなら、意外性などなくても問題ない。「うんうん、いい話だねぇ」となる。

一番悪いのは、なにもオチがなく、作者のメッセージもない小説。
「これ、エンタメ小説じゃなかったっけ?」
と突っ込めるほど、潔くオチとメッセージがない小説を読んだら、その作者の小説はもう二度と読まない。
この傾向は掌編やショートショートだと、さらに強くなる。

夢オチも悪く言われるが、オチがないより、勝ること100倍だ。
ありがちな「いい話」でもいい。

基本的に、なにかのメッセージが伝われば、オチにはこだわらないということか。
冒頭部と比較して、自分はオチには優しいんだなと思った。

(続く)


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