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【紹介】第四章について

ずっと書こうと思っていた宮田君が主人公の小説。

スポーツ万能で性格もよくて、勉強もできる宮田君。
ドラえもんで言う「出木杉君」みたいな子。
なにも欠点のない子を主人公に書くのは、非常に難しいということがわかった。

主人公が一人の長編小説ならば、キャラクター設定の段階でこんなに完璧な人間にはしないと思うが、今回はオムニバス方式の短編なので、宮田君が主人公でも書いてみた。
宮田君のことを考えるうちに、彼には彼の悩みがあるんだなと思った。
今後宮田君にはもっと活躍して欲しいと思う。

ちなみに作中の蓮君の「なんとね」という口癖は、息子の口癖から取った。
息子は隠れて私の小説を読んでいるが、この作品をアップして以来、「なんとね」を言わなくなった。

この「なんと」という言葉、私が小説書き始めの頃、よく使っていた。
「なんと、犯人は佐藤だったのだ」みたいな感じ。
作者だけ驚いているけど、読者は全く驚いておらず、むしろ鼻白んでいるわけで、「なんと」を見つけてよく削っていたことを思い出した。

ショボい口癖なので、どうでもよかったのだが、言わなくなったらなったで、少し寂しいものがあるので、息子に訊ねてみた。

「最近『なんとね』を言わなくなったね」
「え? 僕そんなこと、いつ言ったっけ?」
「しょっちゅう言ってたじゃん、『なんとね』は」
「どんな場合に? どういう状況で言ってた?」

小佐野賢治ばりの「記憶にございません」で、なかったことになった。


小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)