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【雑記】純粋な読者として小説を読む時のことを考えてみた(8)

最後に、内容について。

内容に関しては、人によって好みが分かれるから、一概にこうだとは言えないと思う。自分が面白くても、他の人からしたら、さっぱり興味のない内容であることがあるからだ。

ただ、冒頭部をクリアしたにもかかわらず、途中で先を読まなくなる小説があるのも事実だ。そして、それは長編小説であることが多い。
なぜ読まなくなるかと言うと、退屈だからである。
冒頭部でせっかく興味を持ったのに、大して話が進まず、だんだん先を読むのが嫌になることがある。

それはミステリ小説でも起こる。
ミステリ小説になると、「犯人はだれだ?」など、冒頭部さえクリアすれば、相当な牽引力はあると思うのだが、それでも途中で断念することがよくある。
先に述べたように「退屈」だからなのだが、分析してみると、以下の原因が考えられる。

・物語に変化がなく、まったりと進んでいく。
・登場人物に魅力がない。
・セリフもまったく意外性がない。
・ときおり起こる事件が陳腐。
・マッチポンプ的な出来事が多い。
・枚数稼ぎが顕著(大作家に多い)。
・話の大筋がそもそもつまらない。
・犯人の予想がつく(実際にその通りだった)。

ブーメランになっていることは自覚しているが、言いたい放題書けば、こういうことになる。
このへんの要素が多数重なると、「犯人がだれであろうと、主人公がどうなろうと、もうどうでもいい」の境地になる。

またまた余談だが、枚数稼ぎの極致。

 黒川は、
「君もかい?」
 とたずねた。
 俊子は
「そう」
 といった。

と、こんな感じ。これはさすがに萎える。

(続く)


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