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【中学受験ネタ】羨ましい?

中学受験の勉強を頑張っている息子が羨ましい。

両親が自分の勉強を全力でサポートしてくれて、本人も塾が楽しい。
塾の友達とも仲がよい。
勉強すればするだけ成績が上がる。サボれば下がる。
受験勉強もさることながら、たとえば悪い点数を取ったときも、いい点数を取ったときも、息子にとっては人生勉強になる。

小学校のうちから、こんなに勉強させてもらって(人生勉強も含む)、楽しませてもらって、羨ましいと思う。
自分も子供の頃、こんなふうに育ててもらったら、どんな人生を送っていたんだろう……とアホなことを考えてしまう。

私の人生は私の人生、息子の人生は息子の人生なので、他人の人生を羨んでも仕方がないのだが、――私の人生も楽しいし――まだ12歳にして、こんな経験ができるんだなあ、と考えてしまう。

ツイッターで、塾の経営者の方が、「学力は4年生で決まる」と言い切って論争を呼んでいるが、たしかに中学受験に限って言えば、かなりの確率でわかるのではないだろうか。

だが、人生となると、まったく未知数だろう。
別の塾講師の方が「そんなもの、わかるわけがない」と言って、「じゃあ、いつくらいにわかりますか?」と聞かれ、「死ぬ直前まで、人間どう変わるか、わからない」と答えていたのを見て、金言だなと思った。

たしかに人間死ぬ直前まで、なにが起きるか、わからない。
伊能忠敬にしても、測量の旅に出たのは55歳のときだ。
自分もこれから勉強して、いろいろなことができるのだと、ふと思った。勉強を頑張る息子に触発されたのだろう。

そんなことをつらつら考えていたら、自分のほうこそ息子に感謝しなければいけないのかもしれないと思った。
人生は面白い。

小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)