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【中学受験ネタ】はだしのゲン

塾から帰ってきて、ご飯を食べたら復習をすると言っていた息子が、ずっと本を読んでいる。
休日なので、少しは大目に見るつもりだったが、かれこれ一時間以上が経っている。
さすがに注意しようと思って顔を見たら、目から涙をぽろぽろこぼして泣いている。
読んでいる本を見ると「はだしのゲン」だった。
ずっと前に、読ませようと思って買っていた本だ。どこからか引っ張り出して読み始めたらしい。
お父さんと家族が原爆で命を落としたところだった。
「戦争なんて絶対にしちゃいけないね」
と息子がぽつりと呟いた。
「これって、数十年前に起こった出来事なんだね」
今日は読ませてやるかと思って、そのままにしておいた。

翌日息子がまた「はだしのゲン」を読んでいる。
「また読んでんの?」
「今度は2巻だよ」
しばらくしたら、また泣き始めた。
ピカの毒がうつると毛嫌いされた政二さんが亡くなるシーンだった。
たしかにあのシーンは辛い。

今年の11月、家族で初めて広島旅行に行って、平和記念資料館を訪れたので、原爆に対して興味を持ったのかもしれない。
結局、息子にとって29日と30日は原爆を考える日になった。
歴史、特に近現代史が好きな息子、いろいろ考えるところがあったと思う。
いずれにしろ歴史を、教科書に載っているだけではなく、いろいろな側面から考えるのはいいことだと思う。
混雑の中、1時間並んででも、連れていってよかった。

小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)