見出し画像

あなたのおかげです。

物事のスタートについてこれといったものがなく、いつもなんとなく好きで始まっていた…というタイプの私だけど、文章が書くことが好き、という事に関しては、それを思う度に浮かぶ存在がいる。

小学6年のクラス担任。少し男勝りで、ハキハキと話し、頼りがいのある女の先生だった。
来年中学生になる生意気盛りの子どもたちを毎日相手するというのは、いつも大変だっただろうなと、大人になった今だからこそ、より感謝の気持ちが増す。

ある日の国語の授業で、宮沢賢治の「やまなし」という作品について書いたことがあった。正直、どういった内容だったのか、何をどう書いたのか、感想文なのか、意見文なのか…今では何一つ、覚えてないのだけど。

ただ、その作品について書いた文章を先生がとても褒めてくれて、クラスのみんなの前で読み上げてくれたことはしっかり覚えている。恥ずかしいと思いながらも、やはり褒められるというは嬉しいことで、ソワソワしながら少し誇らしい気持ちで一緒に聞いていた。

その後、特に何があったわけでもないけど、今でも時々こうして好きなことを書きながら、私の文章好きはあれが原点だったのだろうと思い出す。

そんな先生から卒業時に受け取ったクラス文集の中でもらった言葉、「感受性がとても豊かな〇〇さん…」そこで≪感受性≫という言葉を初めて知り、調べた。素敵な言葉だと思った。
先生から見つけてもらった、私の中にあるひとつの個性を大切に伸ばしていきたいと思った。

先生、あなたが私の個性を見つけてくれて褒めてくれたこと、何気ない言葉や行動だったのかもしれないけれど、本当に嬉しくて、少しの自信になりました。

あれから数年後、高校時代には読書感想文で優秀賞をもらい、卒業時には学科代表として私の書いた文章が採用され、答辞を読ませてもらいました。まさかのことに私が一番驚いたけれど、先生との思い出がなければ、ここまで素敵な経験をすることには繋がらなかったもしれません。

そこから、さらに色々な経験を重ねながら、その個性の受け止め方、流し方に悩むこともあったり、少し疲れてしまって言葉を上手く考えられなくなったこともあります。

今もごちゃっとしてまとまらない時があるけれど、文章や言葉を変わらず好きでいられること、noteに出会い、残すことができて本当に嬉しく思っています。先生、小学6年生のあの日、私の中にあるひとつの個性を見つけてくれて、本当にありがとうございました。

#忘れられない先生

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?