1998年に橋本首相が実施した日本版金融ビッグバンは、日本に損害しかもたらしませんでした。
金融ビッグバンによって、余計に銀行は潰れ、巨額の信用収縮が起こり、貸しはがし貸し渋りで中小企業を窮地に追い込みました。
そして金融自由化によって、消費者にもたらされるはずのメリット=多様な金融商品などもというものも大して生まれず、何も変わらないどころか今や利息はほぼ0状態です。
そして日本は20年以上に及ぶ長期停滞の道に迷い込んでいきます。
この日本の金融ビッグバンの基本計画の提言は1996年にわずか3名の金融ワーキンググループなる専門家集団が作ったものです。
その座長が池尾和人(故人)という人物です。
今見ると、ほとんどの内容がその後の政府のあらゆる政策の指針になっていて、また、政府がいまだスローガンとして使っている言葉が至る所に出てくることがわかり、驚かされます。
また、池尾和人氏は、金融ビッグバンを厳格に早期に実施するよう政府に圧力までかけています
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/blog/jsfrc/files/2013/09/Proposal_19981208.pdf
今見ると邦銀をつぶすことに血眼になっているようにしか見えません
池尾和人氏の考える金融行政とはいかなるものだったか
氏の1995年の論文 銀行規制体系の再検討* (上) から見ていきます。
つまりこのキチ〇イは、
銀行の自己資本比率だけを行政が常に監視し、それが低下した場合に倒産させるぞと脅せば、銀行経営者は努力するだろう
と言っているのです。
何の努力をすると言っているのでしょう?
と記載があるように、銀行経営者が努力する事とは投資を成功させることのようです。投資という言葉が変ですが、つまり儲かる企業にだけキャッシュフローを提供せよという事のようです。
池尾氏の主張のまとめ
銀行の自己資本比率だけを行政が常に監視し、それが低下した場合に倒産させるぞと脅せば、銀行経営者は儲かる企業にだけキャッシュフローを提供する努力をするだろう。その努力をしない銀行はつぶせばいい。
という事でしょう。
かくして現実の日本社会でこの政策を実現したらどうなったか
視野の狭い学者の卓上の空論を現実に適応したら現場で何が起こったかを見ていきましょう。
つまり、銀行は優良な貸出先や投資先を探す努力より、貸し出しを圧縮する努力をし、その結果連鎖的に信用収縮が起こって余計に状況は悪化し、実態経済の企業の倒産を招いたという事になります。
この裏で、どれだけの人々が苦しみ、そして経済的困窮を経験し、経済によって殺されたかと思うと、金融ビッグバンとは犯罪的行為に思えてきます。
そしてそれを行った理由が、結局はアメリカと金融の仕組みが違うからという理由であり日本経済にメリットが何もなかったことを考えると余計に腹が立ってきます。
この内容を見ると、長銀の倒産は、池尾氏の銀行をつぶした方がいいという提言の路線を踏襲して既定路線であった疑惑もわきます。