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春の朝、珈琲の香り、情景。

春、珍しくアラームが鳴る前にスッキリと起きられた。
早起きして歩く町はいつかのアルバイトの匂いがした。

郊外の大きな工場
大型トラックの排気ガスの臭いと騒音
庭木を剪定する老人
どこかに繋がっている畦道
バスケットゴールが置いてある庭
小さな祠と四阿屋
群生するカンサイタンポポと頭上にクマバチ
やけに飛ばして横切る車
雲上の飛行機の音
ヒバリの鳴き声とツバメの旋回
舞い散る桜吹雪と桃色カーペットの川
この町で一番大きな珈琲豆工場

僕の珈琲好きは、18年間この香りを嗅いで育ってきたからなのかもしれない。
潮風に錆びる町で育った少年が海を好きな様に。
山奥の村で暮らす少女が駆け巡る様に。
気持ちの良い汗をかいた僕は、部屋で珈琲を淹れる。
ふふ、今日はいい一日になりそうだ。

おはよう。

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