Titania

(この場をかりて)小説・詩・エッセイを通じて、海を超え、言葉を超え、時代を超えた世界を…

Titania

(この場をかりて)小説・詩・エッセイを通じて、海を超え、言葉を超え、時代を超えた世界をつくってみたいです。

最近の記事

なぜ、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したのか?<2>

わたしたちノーベル賞の仮選考委員会は、第二審査に移りました。 詩の重要な要素に韻(rhyme)があります。 だれもが耳にしたことがある「Humpty Dumpty(ハンプティ・ダンプティ)」では、 Humpty Dumpty sat on a wall, Humpty Dumpty had a great fall. All the King’s horses and all the King’s men, Couldn’t put Humpty together agai

    • なぜ、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したのか?<1>

      2016年10月、小説家や詩人、劇作家などに贈られるノーベル文学賞が、アメリカのシンガーソングライターでフォーク・ロックミュージシャンのボブ・デュランに授与されたときのことは今でも鮮明に覚えています。 受賞発表のあと、多くのメディアがこの話題を取り上げ、「文学界では衝撃が走った」と報じていました。なぜなら、ノーベル賞100年の歴史上、はじめて歌手が文学賞に選ばれたからです。 最近の受賞者には、ノルウェーの劇作家ヨン・フォッセ(2023)、フランスの作家アニー・エルノー(2

      • 文学フリマ東京2023.11.11

        「文学フリマ」にいってみた。 はじめての経験。 会場につくのがお昼すぎるから、 人の波はおさまってるかな、と期待してたけど、 入る前から、人・人・人で、 時間がたつにつれて、来場者がどんどん増えてきて、 身動きとれなくなりそうなほどだった。 しかも、まったく予習していなかったため、 第一展示会場と第二展示会場で、 何のカテゴリでわかれているのかもわからないまま、 人の流れにまかせて、あいうえお順、アルファベット順に、 ぶらぶらとブースを回ることにした。 ビジネスらしい身な

        • ホイットマン、アメリカの大地で吠える

          「アメリカの叙事詩人」と称された(Walt Whitman)。一生涯をかけてひとつの詩集に取り組んだ孤高の叙事詩人。 『Leaves of Grass(草の葉)』から印象に残った詩の一部をとりあげます。 はじまりはポーマノックから …… 世界はふたたび原初にかえり、見渡すかぎり壮観なけしきが広がる 新しい競争、新しい政治、新しい文化・宗教、新しい発明・芸術を用いて はるかに大きなスケールで これからの人々がこれまでの人々を支配する これらのことを、おれが告げる――おれは

        なぜ、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したのか?<2>

          ウェンディ・コープはフクロウを食べない

          イギリスで人気の現代詩人ウェンディ・コープ(Wendy Cope)。彼女のユーモアとウィットで、クスっと笑える詩が、’Kindness to Animals’(動物へのおもいやり)。 動物へのおもいやり ベジタリアンになるなら 夕飯に子羊(ラム)の肉は食べないわ、 そうすれば、もっといい人になると思う。 (中略) でも子羊は絶滅に瀕しているわけじゃないよね (中略) メンフクロウはこれまで一度も食べたことないから たぶん、わたしはこのままでいいってことね。 この詩のオチ

          ウェンディ・コープはフクロウを食べない

          カミュの横を歩いてみる

          英語で詩・文学を楽しむ仲間ができました。 せっかくなので素敵な作品をシェアします。 (日本語訳者はわたしです。あしからず) ~~~~~~~~~~~~~~~ Don't walk in front of me, I may not follow. Don't walk behind me, I may not lead. Walk beside me and be my friend. by Albert Camus ぼくの前を歩かないでくれ、後についていくつもりはないか

          カミュの横を歩いてみる