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ウェンディ・コープはフクロウを食べない

イギリスで人気の現代詩人ウェンディ・コープ(Wendy Cope)。彼女のユーモアとウィットで、クスっと笑える詩が、’Kindness to Animals’(動物へのおもいやり)。

Kindness to Animals
if I went vegetarian 
And didn't eat lambs for dinner,
I think I'd be a better person
……

『Serious Concerns』by Wendy Cope

動物へのおもいやり
ベジタリアンになるなら
夕飯に子羊(ラム)の肉は食べないわ、
そうすれば、もっといい人になると思う。
(中略)

But the lamb is not endangered
……
I have never, ever eaten a barn owl, 
So perhaps I am OK.

同上

でも子羊は絶滅に瀕しているわけじゃないよね
(中略)
メンフクロウはこれまで一度も食べたことないから
たぶん、わたしはこのままでいいってことね。


この詩のオチ(原文では最初に書かれているけど)は、
世界自然保護基金(WWF)に依頼されて作成したものの、
「不適当」と判断されて出版物に掲載されなかった、
と説明があること。
「フクロウを食べないから、わたし動物を大切にしてるよね?」と訊かれると、ん~、素直にそうだね、って返せないな。

フクロウを食べる人なんかいない、と思っていたらそうでもなかった。
2008年のBBC(英国放送協会)には交通事故で死んだ野生動物を食べる番組「The Man Who Eats Badgers and other strange tales(アナグマを食べる人と奇妙な話)」があった。フクロウも食材のひとつらしい。

メンフクロウ(barn owl)のbarnの意味は「家畜小屋」。メンフクロウは農家の家畜小屋に巣をつくり、ネズミなどの害虫を食べてくれるので、農家にとってありがたい存在。WWFの寄付集めのグッズにメンフクロウも含まれてる。<https://gifts.worldwildlife.org/gift-center/gifts/species-adoptions/barn-owl.aspx

*写真は「アフリカオオコノハズク」




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