大野次郎

起業家。大学卒業後、素材系企業及び半導体企業で、日本の技術を立上げ、海外に展開に従事。…

大野次郎

起業家。大学卒業後、素材系企業及び半導体企業で、日本の技術を立上げ、海外に展開に従事。その後、ライフサイエンスに転身。細胞培養技術を学び、再生医療と培養肉のスタートアップ企業を立ち上げ。人工皮膚と培養肉の開発を並行して行っている。自ら培養器具を設計し、細胞を培養する毎日。

最近の記事

開発者が語る「培養肉とは」。#00 「培養肉は最新の『産業革命』」 100年どころか、人類のある限り必要となる技術。

 ダイバースファーム㈱の大野です。#4まで執筆したところで、大きいビジョンがある程度言語化できそうになったので、#00として書いてみることにしました。  産業革命とは「暮らしを変えてしまう技術」  ググりますと、産業革命は第1次から第4次まで分類されています。要約すると下記のとおりです。 第一次:蒸気機関(大量生産が可能に) 第二次:鉄と電気(物と情報の移動が可能に) 第三次:デジタル化(インターネットとスマホの登場) 第四次:上記を基礎とした高度複合技術 (人工知能

    • 開発者が語る「培養肉とは」。番外編 「なぜ株式投資型クラウドファンディングを選んだか?」 「前例の無い起業スタイル」の起業家目線からお話します。 

       ダイバースファーム㈱の大野です。今回は「なぜ株式投資型クラウドファンディングを選んだか」という点を、起業家目線からお話させていただきます。 株式投資型クラウドファンディング(以下 株クラ)とは  一般的なクラファンは「商品を販売」したり、「募金を集める」もので、かなり幅広く使われるようになりました。  株クラ は 商品や募金の代わりに「株式」を購入する仕組みです。未上場株を一定の条件下(一人50万円以下など)で購入することができます。ただし、一般的な上場株式とは大きく

      • 開発者が語る「培養肉とは」。#03 培養肉が解決できる課題 「自分で作って、自分で食べているからわかること」をお伝えします。

         ダイバースファーム㈱の大野です。今回は培養肉が解決できる様々な課題についてお話させていただきます。 大前提:畜産業との共同作業  まず大前提となるのが、畜産業・水産業との共存です。  食は文化であり、「肉を食べたい」という欲望を持つ消費者が消えることは無いと思います。  また、通常の細胞は永遠に増えるものではないので、一定の数量の家畜を飼育することが必要です。  下記の図のように、原料供給元となる畜産業(下図にはありませんが、水産業も)から継続して、細胞を供給して

        • 開発者が語る「培養肉とは」。#2培養肉の作り方「自分で作って、自分で食べているからわかること」をお伝えします。

           ダイバースファーム㈱の大野です。今回は培養肉の作り方を各段階でご説明します。 大枠の製造フロー  下記に培養肉の作り方のフローを示しました。各段階に沿ってご説明します。  1:細胞採取  まずは家畜からタネ細胞を採取します。ウシやブタなどの大型動物と、ニワトリや魚などの比較的小型の動物は取り方が異なります。    ウシやブタの大型動物は、簡単に言うと「太い注射器」で細胞を採取します。これは獣医資格が必要で、当然麻酔をして家畜の負担をできるだけ減らすやり方で行います。

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          開発者が語る「培養肉とは」。「自分で作って、自分で食べているからわかること」をお伝えします。#01概要

           ダイバースファーム㈱の大野です。  最近注目を集めている「培養肉」ですが、正直まだよくわからないと感じている方がほとんどだと思います。ここでは実際に培養肉を開発し事業化している立場から情報発信をさせていただきます。  私たちの取り組みを3行にまとめると下記になります。 「細胞を結合させる技術」を研究しています。 もともとは人工皮膚などの人工臓器をつくる技術です。 ヒトの細胞で作れば人工臓器、動物の細胞で作れば 「食肉」に。   そして、できる培養肉を一言でいうとこれま

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