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読書メモ : 『脳の外で考える』〜思考より観察,そして表現

脳の外で考える』という本を読んだ。本書には,自分の脳を上手く働かせる方法として,身体・環境・他者の活用方法が多数紹介されている。

読み終わって思ったのは,脳は「思考」より「観察」のほうが得意なのか,ってこと。そうだとすると,「表現」することって大事だなと。

個人的にお気に入りの説は,ビクトリア大学の認知科学者ヴォルフ・マイケル・ロスさんの「理解が深まるから表現できるようになるのではなく,表現しようとするから理解が深まっていくのです」というもの。うん,確かに。理解が先か,表現が先か。表現が先なのかも知れない。人に話すことにより,思いがけないアイデアが出て,理解が深まることは多い気がする。

表現の手段には,文章を書いたり,絵を描いたり,人に話したりといった方法があるけど,「ジェスチャー」という手段もある。とくに,空間的なアイデアを理解したり伝えるとき,ジェスチャーはお手軽で強力な手段だと紹介されている。個人的にもジェスチャーには良くお世話になっている。空間的な問題を考えるのは難しい。とくに,物体が自転も公転もするとなるとパニックだ。ジェスチャーして作図して,図をみながらジェスチャーして作図するといった感じで,一歩一歩,なんとかしていく感じ(なんとかならないことも多い)。

ジェスチャーには記憶を助けてくれる効果もあるそうだ。例えば,俳優は動作とセリフをセットで覚えるものらしい。動作がセリフの引き金となり,セリフが動作の引き金になることで,記憶を補完し合うようだ。外国語の学習にもジェスチャーを使用したところ,良い結果が得られたそうだ。

表現と思考と記憶。この3つは切っても切り離せないのかもしれない。本書のエピソードを読むと,そう思えてくる。

おわりに

さっさと表現してみることって大事だな。表現してみることで,観察ができるようになる。思考より観察に頼る。それが,本書から得たこと。さっそくこの文章を書いて,観察してみたけど,まあへコみました。もう少し書けると思ってた…。精進します。


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