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眠れぬ家は持続不可能 【地方空き家サバイバル,29日目,2022/6/20(月)】

残念だが,この面白い家での生活は続けられないようだ。すぐ横を通る国道からの騒音のため,よく眠れないのだ。

朝起きたとき,眠いのがこれほどつらいとは知らなかった。移住初日から眠れぬ日々を過ごしてきた。原因は,家のすぐ脇を通る国道である。地方の森に住んでいるのに,車の騒音で眠れぬ日々を過ごすことになるとは。車通りの激しい国道で,一日中10tトラックがバシバシと風圧で家を叩きながら通っていく。

これから,家の問題を自分でなんとかしていこうと思っていた。しかし,この騒音問題は自分でなんとかできない。騒音は私の専門分野だ。対策が困難なことを知っている。この騒音は低周波成分が支配的なため,高重量の壁を築く必要があるが,私の経済力では厳しい。また,風通しの良さという,この家の良さも失われてしまう。

移住して,嫌なことや不便なことはあったが,どれもすぐ慣れた。しかし,騒音はだめだった。夜中に目が覚めることはないが,翌朝,頭が重たい。スッキリとした感覚がない。徹夜明けのような状態で始まる朝。日に日に消耗していった。この先には,うつ病や自律神経失調症のような,脳のバグが待っているのだろう。

家は大事だが,脳のほうが大事だ。脳は思ったより脆く,急速にボンヤリしてきてる。できるだけ早く,安眠できる場所を見つけなければいけない。4週間楽しめたのは,脳のおかげでもあるんだから。

この4週間いろいろな種をまいてきた。それを支えてくれた人達。まいた種にけじめをつけられるのか。前任者と同様に,放置することになるのか。人が家から去るとき,なにかが放置される理由がわかった気がする。人は家より脆い。脆い人が壊れたとき,なにかが残される。

そんな脆い私の,地方空き家生活29日目を記す。

やったこと

今日やったことは,以下のとおり。
・庭のゴミの発掘完了

庭のゴミ発掘完了

早朝にコツコツと続けた庭のゴミの発掘が終わった。しかし,発掘されたゴミは「埋め立てるゴミ」として,他の地に埋め立てられる。やるせない。土に還らないモノや,リサイクルできないモノはできるだけ買わない。現代生活ではほぼ無理な,この問題はどうすればいいのだろう。

おわりに

人生は思い通りいかないな。自分で解決できる問題だったら,解決するんだけどな。受け容れられることなら,受け容れるんだけどな。車の騒音は,解決できる範囲も,受け容れられる範囲も,超えていた。

私にとって睡眠は絶対だ。睡眠による回復があれば,ストレスは味方だ。いろいろな気付きを与えてくれる。その味方が敵に変わってしまった。日課である朝のランニングがつらい。ランニング後の爽快さがない。脳がストレスを拒むのを感じる。睡眠さえとれば,ストレスは味方だ。ストレスを避ける生活なんてごめんだ。

あたりには静かな場所がたくさんあり,そこには空き家もあるのに,祖父の家はそこではなかった。この移住の挑戦は終了である。これからは,どのように,けじめをつけるか。私を楽しませてくれた,築50年の家との別れと向き合うことになりそうだ。

最後まで読んでくれて,ありがとう。

移住の背景と現状は,以下をどうぞ。
移住を決断した理由(文章のみ)
最近の状況(写真多めでサクッと読める)

それでは,また明日。

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