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目標は口に出さないほうがいい
「目標は口に出したほうがいい」
というアドバイスをする人がいる。
私は10代の頃から周囲に対して目標を口に出すことはダサいと思っていたし、「目標は口に出したほうがいい」という話を受けても、目標は口に出したほうがいいとは思わなかった。
「目標は口に出したほうがいい」と言っている人のほとんども、目標、あるいは夢、叶ってないと思う。
「目標は口に出したほうがいい」で言われる目標というのは、
「おれはこうなります!こんだけの数字出します!」とか「トップセールスになります!売上これだけ立てます!」という感じだ。
そして、「目標は口に出したほうがいい」とする理由は、ほとんど決まって、
「目標を口に出せば逃げられなくなるから」だ。
「目標を口に出せば逃げられなくなるから」か。
いや、みんな逃げてるじゃん。
そもそも、「目標を口に出せば逃げられなくなる」という発想が雑で、繊細さが欠けている。「目標を口に出せば逃げられなくなる」という発想自体がそもそも目標から逃げてしまっているじゃないか。
その上で、口から出てくる目標は、ポーズ目標、外向けの目標だ。
その目標、本当にそれ本心?
そもそもその目標を欲しているのか?
目標を宣言するのは、会社とか上司にはウケる。
やる気があるように見えるし、「お前、自分で言ったからにはちゃんとやれ」と周囲も詰めやすい。
周りからは綺麗な目標を求められがちで、いつの間にか、目標は綺麗でわかりやすいことを言わないといけないという空気すら出来上がっている。
周りもぐうの音も出ないような首尾が綺麗すぎる目標。しかし、こうした作り飾られた目標は、常に繊細さが欠けてる。
もちろん、対外用の目標も大切だ。演技をしないといけないときもあるだろう。
ただし、注意しておきたいことは、演技をする場合であっても、この演技は自分のためではなく、相手のために演技をするということだ。
しかし、本心は、
「社内で舐められたくない」とか「そこそこ優秀と思われたい」とか「君変わってるね、君面白いね、と言われたい」そういうことだろ。
少なくとも私は、そうだ。
もっと深ぼれば、周囲に面白いと思われたいというよりは、自分自身が自分のことを面白いと感じれる人間で常にありたいというのが私の本心だ。あるいは、自分が尊敬する自分物(ほとんどがすでに死んでしまっている方ばかりだが)に恥じない人生を送るということ。
そしてこのうちなる目標はとても曖昧で、自分でもどうすれば達成するのか論理化はできない。
だけど、この曖昧な目標は必ず達成される、と思っている。なぜなら、本当に欲しているので結果的に、そして無意識にその場所に自然に行ったり、行動したり、考えたりするからだ。
曖昧な目標に向かっていけない気持ちを弱さを誤魔化す
1926年、社会心理学の父と呼ばれるKurt Lewin氏が、目標の公言は実践の代替になることを発見した。つまり、口に出すことで、やらなければならないという緊張感が解放されてしまうらしい。
そして1933年には、Wera Mahler氏が、自ら発言した解決策を認識することで、脳内に社会的現実がつくられることを発見した。
社会心理学的には、目標を他人に言うと、達成確率が下がるということも言われているらしい。
うちにある本音目標、これを外向けの目標で誤魔化してはいけない。
うちにある本音目標をキープしつつ、仕事や趣味、恋愛などをさらにそれぞれ細分化した部門ごとの目標を棲み分けておく。
目標を周囲に公言している人は強い人間のように映るが、本当は、曖昧な目標を立てて、誰に気づかれるわけでもなく、それを直向き求めていくという生き方ができない、実は弱い人なんだと思う。
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