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SpaceX、史上最大のロケット「Starship」試験飛行成功! 月旅行や火星探査への扉が開く

SpaceXは2024年3月14日 22時25分(日本時間) 、自社開発の超大型ロケット「Starship」の3回目の試験飛行を行い、ついに軌道速度に到達する快挙を成し遂げました。

全長122メートルにおよぶ Starship は、これまで打ち上げられたロケットの中で最大・最強です。打ち上げの成功を受け、SpaceX 創業者のイーロン・マスク氏は SNS上で「Starship は軌道速度に到達しました! スペースXチーム、おめでとう!」と喜びのコメントを投稿しました。

今回の飛行は「Integrated Flight Test-3 (IFT-3)」と呼ばれ、Starship の完全体構成での3回目の試験飛行でした。以前の 2 回の飛行は失敗に終わっていましたが、それらの飛行で得られた貴重なデータが今回の成功に大きく貢献しました。

Starship は分離可能な 2 段式構造となっており、打ち上げ後約2分45秒で 1 段目の「Super Heavy」と 2 段目の「Starship」が分離しました。Super Heavy は正常な着水を目指し、ブースターの再点火を試みましたが、エンジンの再着火に失敗し、メキシコ湾上に着水しました。

一方、分離した Starship は地上を周回する軌道投入は行わず、亜軌道飛行を行いながら宇宙空間へ到達しました。この飛行では、Starship のエンジン再点火や燃料タンク間の燃料移動など、2 つの飛行システムの性能試験に成功しました。

しかし、再突入中に通信が途絶え、機体との交信が失われてしまいました。残念ながら、打ち上げから約 65 分後にインド洋に着水する予定だった Starship は、回収することができませんでした。

Starship は、NASA の次期有人月探査計画「アルテミス 3」で、人類を再び月面に送り込むための宇宙船として採用されています。アルテミス 3 計画は 2026 年の達成を目指しており、Starship には厳しい開発スケジュールが課せられています。

今回の Starship の軌道速度到達は、開発スケジュール的前進を意味しており、今後、打ち上げ頻度の向上も予想されます。Starship の早期実用化は、アルテミス 3 計画への貢献はもちろん、有人月旅行や火星探査など、これまで人類の夢だった宇宙開発を大きく前進させるでしょう。

Starship の持つ、他のロケットを圧倒するペイロード搭載能力は、民間の宇宙開発にも大きな可能性をもたらします。例えば、次世代の Starlink インターネット衛星打ち上げや、民間初の月旅行を目指す「Dear Moon」プロジェクトなど、Starship を利用した野望的なプロジェクトがすでに進行しています。

今回の成功は、SpaceX の打ち上げ施設があるテキサス州ボカ チカ からの Starship 打ち上げが今後活発化することを示唆しています。また、フロリダにある NASA のケネディ宇宙センターからの Starship 打ち上げに向けたインフラ整備も着々と進められています。

Starship の開発はこれからも続きますが、今回の飛行は大きな節目となりました。今後、さらなる打ち上げが成功し、安全性が確認されれば、SF 映画の世界だった宇宙旅行が現実のものとなる日もそう遠くないかもしれません。

詳細内容は、Space.comが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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