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脳とコンピュータをつなぐ、Neuralinkのチップが初の人間操作に成功、安全性と透明性に懸念も

Natureの記事より、
Neuralinkが開発した脳埋め込み型デバイスが、人間によるコンピュータカーソルの操作に成功したと、同社のイーロン・マスク氏が発表しました。しかし、研究者からは達成内容に対する疑問の声とともに、安全性や情報公開に関する懸念が寄せられています。

NeuralinkのBCIは、従来の頭蓋骨表面に設置するBCIとは異なり、脳内に侵入して個々のニューロン活動を記録します。1,024個の電極を備えた柔軟な糸状のデバイスは、従来のシステムよりもはるかに多くの情報量を得ることができます。また、同社はデバイス挿入用の外科ロボットも開発しており、精度の高い手術を可能にしています。

Surgical Robot(手術ロボット)

今回の人間被験者は、埋め込まれたデバイスによって思考だけでマウスを動かすことに成功しました。これは、BCI技術が実用化に向けて大きな一歩を踏み出したことを示す重要な成果です。
しかし、研究者からはいくつかの課題も指摘されています。まず、カーソル操作は過去のBCI研究で既に達成されており、今回の成果は目新しいものではないという声があります。また、個々のニューロン活動を記録する必要性についても疑問が呈されています。さらに、デバイスと手術の安全性や、情報公開の透明性についても懸念が指摘されています。

脳への埋め込み手術は、出血や感染症などのリスクを伴います。また、デバイス自体が故障したり、脳組織に損傷を与えたりする可能性もあります。Neuralinkは安全性に関するデータを公開していますが、詳細な情報は不足しており、長期的な影響はまだ分かっていません。

Neuralinkは研究開発の進捗状況を積極的に公開していますが、臨床試験の詳細や被験者に関する情報などは限定的にしか公開されていません。情報公開の透明性を高めることで、安全性に対する懸念を払拭し、より多くの研究者や一般の人々の理解を得ることが重要です。

Neuralinkは今後も研究開発を進め、麻痺のある方が思考でコンピュータを操作し、自立性と機能回復を支援することを目指しています。また、視覚障害や聴覚障害の治療、記憶力や学習能力の向上など、幅広い応用が期待されています。しかし、これらの目標を実現するには、安全性と透明性の確保が不可欠です。

詳細内容は、Natureが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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