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3Dプリンタで医療、製造、研究などの用途に使用できるマイクロ粒子を1日あたり100万個のペースで作成できる技術を開発 スタンフォード大学

スタンフォード大学の研究者が、革新的なマイクロ3Dプリンティング技術を開発しました。この技術は、幅わずか10ミクロン(人間の髪の毛より細い)という超微細な粒子を、なんと1日あたり最大100万個も高速で製造することが可能にします。しかも、生成される粒子の形状はほぼ自由自在。医療分野から製造業、研究開発に至るまで、幅広い分野で活用が期待されています。

バッキーボール形状を特徴とする 3D プリントされた DeSimone lab ロゴは、r2rCLIP システムがミクロンスケールの特徴を備えた複雑で成形不可能な形状を生成する能力を示しています。(画像クレジット: DeSimone Research Group、SEM 提供: Stanford Nano Shared Facilities)

従来のマイクロ粒子製造は、光照射、ステージの移動、樹脂の特性など、繊細な調整が必要とされ、大量生産が困難でした。今回開発された技術は「連続液体インターフェース生成法(CLIP)」と呼ばれる手法を応用しており、紫外線を使ってレジン樹脂を硬化させることで、所定の形状を作り出すことができます。このCLIP法の大きな特徴は、酸素透過性ウィンドウを用いてレジンと紫外線の間に「未硬化領域」を作り出す点にあります。これにより、繊細な形状でも層同士がくっつきにくくなり、高速での粒子製造を実現します。

今回の研究では、さらにこのCLIP法を「ロールツーロール(Roll-to-Roll)」方式へと改良しました。ロール状のフィルムに一度に数百個の粒子を印刷し、洗浄、硬化、取り出しといった工程を自動的に行うことで、かつては手作業で行われていたプロセスを大幅に効率化。1日あたり100万個という大量生産を可能にしました。

生成される粒子の材質も、セラミックのような硬質なものから、薬物輸送に使用できるハイドロゲルのような軟質なものまで対応可能。開発チームはすでに、マイクロエレクトロニクス製造や医薬品デリバリーなどへの応用を想定した実験を行っています。

今回開発された技術は、マイクロ粒子の可能性を大きく広げるものです。これまでは主に試作や検証のためのツールだった3Dプリンティング技術が、いよいよ実用的な「製品」を生み出す段階へと入ってきていると言えるでしょう。今後、この技術を応用した様々な革新的な製品が登場することが期待されます。

詳細内容は、スタンフォード大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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