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L'Arc〜en〜Cielとかいう日本一食わず嫌いされてるバンド

ラルクアンシエルは90年代末に一世を風靡したバンドである。CDがまだ売れる時代にミリオンヒットを連発し、アニメとのタイアップによって海外でも多くの人気を獲得しており、国外でも多数の支持を集めている。そのため一見正当な評価をされているように思えるのだが...

食わず嫌いしてる人が多すぎる!そして知られていない名曲が多すぎる!


世間一般的には、ラルクは"Honey"の人たちとして、そしてヴィジュアル系バンドとして通っているはずだ。


ラルクは元々ヴィジュアル系としてスタートしたわけではない。彼らはCureというバンドに非常によく似た”ニューウェイブ”の路線のバンドである。

のだが、後にオルタナティブ志向に転向。以降、そのルックスや歌い方から当時流行だったヴィジュアル系の括りに入れられて売れたわけだ。

で、この”ビジュアル系”という括りのせいで食わず嫌いされることが非常に多いバンドではないかと思う。だが実際はかなりポップで聴きやすい内容となっており、聴かないのは流石に損してる。特にFinal Fantasy、HUNTER×HUNTER、Death Noteなど作り込まれたダークな世界観のコンテンツが好きな人は絶対ハマる。(ちなみに冨樫はラルク好き)

ラルクの特徴として圧倒的なボーカルがいること、四人全員作曲すること、当時の流行からヴィジュアル志向のバンドと捉えられたこと、現実離れした世界観、そして文学生がない代わりにエンターテイメント性が非常に高いことが挙げられるが、これ、実はあるバンドにそっくりなのだ。

そう。みんな大好きクイーンだ。

あまり言われないことだが、実はラルクは邦楽界のクイーンなのだ。

音楽性で言えばクイーンよりダークだが、それ以外は本当に両者はよく似ている。例えばフレディもhydeも絵が上手いことで有名だし、ギターのブライアンとKenも理系のインテリという点で一致している。

邦楽で例えると、スピッツとLUNA SEAを足して2で割った感じだろうか。とにかくヴィジュアル系というだけで聴かないのはあまりにも勿体ない最高のバンドなので音楽好きの人にはもっと聴いてほしいのだ。ってなわけでオススメの曲をいくつか。

初見さんがマンネリしないよう同じ感じの曲は外してなるべくバラエティ豊かにしてます。


Flower

ラルクファンにとっての代表曲。超初級編。絶対聴け。CD音源も聴いてほしいんだけど、こっちのバージョンの方がおすすめ。というのも、flowerまでのラルクはかなりアンティークかつアコースティックなサウンドをしたクセのある音ばかりで、hydeが「売れるために書いた」と言い切るこの曲でさえ、売れる気あんのかコイツらって言いたくなるような音作りである。案の定、そこまで売れなかった。(確か35万枚ぐらい)ちなみにSpitzのロビンソンが大ヒットしていたことから「アコースティックな曲書いてみよ」って経緯で作られたらしい。

Winter fall

まあこれも定番ですよね。さっき言ったようにラルクはflowerまで(1996年)までクセのある曲調だったんですよ。で、1997年にドラマーが薬で捕まって活動休止になるんです。そして97年の秋、代わりにyukihiroが入ってシングル”虹”をリリースして復帰するんですけど、そこから明らかに曲調が変化してるんですよね。従来のノスタルジー路線(ニューウェイブ)からパワフルでダークでモダンな路線(オルタナ)に切り替わります。

あとこの頃(1998年)って、バブル崩壊後の”祭りはまだ終わらせねえ”的な風潮(小室系ダンスミュージック)が酒鬼薔薇事件や平成不況を経験したことにより終わりを迎え、ニヒルな風潮が漂ったはずなんです。(僕は2000年生まれですが)そんなこんなで大成功。モンスターバンドへと駆け上がっていくわけなんですが、この曲はその真っ只中にリリースされたもの。ストリングスといい間奏のギターといい壮大さといい、完全に時代のニーズに合わせてきています。この当時のラルクは本気でトップの座を奪いにきていたんだということが容易に想像できます。


Sell my soul

ちょっと踏み込みすぎたか...?でも紛れもない名曲だから聴いてほしい。何回聴いてもいい。この曲はもうね、オシャレ。その一言に尽きる。どのシチュエーションで流していいのかわからないけどオシャレ。


As if in a dream

ラルクファンの中で屈指の人気を誇る超名曲。僕のラルクは、ヨーロッパの雰囲気に取り憑かれた日本人がひたすらに美しくカッコいい音楽を追求し続けているバンドと言い換えることができる。めっちゃ西洋的なんだけど、根底には和的な感性が宿っている。この曲とかまさにそう。

Blame
これもライブverがいい。ラルクの凄いところの一つは、昔に作った曲が時を経て格段に進化することだ。これなんかまさにそう。というより別物と言ってもいい。最初は大した曲じゃないと思っていたのに、ブラッシュアップされたVerを聴くと一瞬で引き込まれる。

ラルクはメンバーの4人全員が作曲している。比率で言えば、ギターのKenが35%、hydeが30%、ベースのtetsuyaが28%、ドラムのYukihiroが7%ぐらい。しかもKen、hyde、tetsuya3人は全員ミリオンヒットを出している。こんなバンドはラルクだけである。この曲はTestuya作曲。

Forbidden lover
正直CD版はあんまり。でもライブは最高。ドラム、ベース、ギター、ボーカルそれぞれ主張しあっているのに調和している。ちなみに”いばら”はここでは扱わんぞ。壮大な曲ってさ、疲れるじゃん?


Fourth avenue cafe
デビューしてから大衆ウケを無視したとしか思えない独特の世界観が時を経るごとにマイルドになって最高の形に結実したのがTrue(1996)なんだけど、それが最も顕著に出ているのがコレ。



It's the end
Ray(1999年のアルバム)のラルクが一番好きかもしれない。なんかね、品があるんよ。それまでのラルクってだいぶ少年っぽさとガッつきがあるんだけどRayはすごく落ち着いてるというか品があるんですよ。トップに上り詰めたがゆえの優越感みたいなものを感じるというか。それを特に感じさせるのがこの曲。


惜しくも枠
・いばらの涙(壮大な曲は数個あれば十分と思い除外。)
・Fate(同上)
・叙情詩(コレも同じ理由によりボツ。いばら、Fate、叙情はForbiddenが気に入ったならとりあえず聴いてみて)
・Flood of tears(間奏がめっちゃ好きなんだけどね)
・Blurry eyes、Vivid colors(ポップすぎるかな..と)


ラルクはサブスクで聴くより絶対ライブの方がいい。正直、CD音源は彼らの音楽のポテンシャルを発揮しきれてない。なんというか、技術と彼ら自身の技量が追いついていない。しかし、脂の乗り切った後の彼らのパフォーマンスは至高の一言だ。大体昔の曲をライブでやると


んん、、正直イマイチ、、でも生で見れてよかった!

って感じで終わってしまうのだが、ラルクは明らかにCD音源を超えている。特にこの2012年ワールドツアーの最終日は97年のX解散ライブに並ぶ邦楽史上最高のライブの一つだろう。

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