浦河べてるの家「べてるの家の「非」援助論 」
「浦河べてるの家」は、精神障害をかかえた人たちの有限会社・社会福祉法人の名称です。
ここでソーシャルワーカーとして働く向谷地生良(ムカイヤチ イクヨシ)さんが、西村佳哲さんの本「みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?」で語った冒頭の言葉が印象的でしたのでこの本も合わせて読みました。
浦河と言えば、ゲーム「桃太郎電鉄」で北海道の襟裳岬付近のカード売り場。たどり着きにくい場所だったような・・・
それはさておき。
22歳で精神分裂病を発病し、37歳まで「病気が治ること」を目標として生きてきた水野典子さんの「虚しさ」の研究という項が印象に残ります。
「人との比較、人の評価に依存し、自分の本当の現実を見ることを恐れて長年生きてきた結果、対人関係に困難を生じ再発を繰り返す。」
深く同意し、対人関係が一番難しいよなぁ!と感じます。患者さんが、そのままの自分でいられ、自分に向き合いながら病状を回復させる「べてるの家」。
サポートする立場の向谷地さんは「べてるは順調に問題だらけ」とおっしゃいます。
「仕事に人生をかけない
=「仕事自体からエネルギーをもらわない」
とおっしゃった向谷地さんの言葉の意味もおぼろげながら理解できるような気がしました。
制御できない負のエネルギーが強すぎる場所で仕事へのモチベーションをどう保っておられるのかを知りたいところです。
「べてるの家の「非」援助論 : そのままでいいと思えるための25章」2002.6/1刷/医学書院/浦河べてるの家
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