イセキ アヤコ

イギリス在住。2児の母。noteでは英国での子育てについて書いています。アイコンの似顔…

イセキ アヤコ

イギリス在住。2児の母。noteでは英国での子育てについて書いています。アイコンの似顔絵は漫画家の二ノ宮知子さんが描いてくださいました。

マガジン

  • 21世紀イギリスの、子どもの育て方

    今のイギリスで子育てをする中で学び、感じたことなどを書き留めていきます。

最近の記事

子育てを通して感じた英国のエシカルマインド

British Ethical Mind 家族から家族へ おもちゃの生涯 「来週引っ越すのでお譲りします。欲しいひとは連絡をください。 携帯電話 0778-XXX-XXXX 」 14年前、1歳半の息子をバギーに乗せてロンドンの家の近くの住宅街を歩いていたら、歩道の一角に立つ掲示板に目がとまりました。馬の形をした赤いバランスボール、ロディの写真付きの張り紙でした。無料で譲ってくれるとのこと。その場で電話をかけてみると女性が出て、次のように言われました。 「今日取りに来

    • イギリスのいじめ撲滅への取り組み 

      Odd Socks Day イギリスで毎年恒例のAnti-Bullying Week(いじめ撲滅週間)がスタートしました。初日の今日はOdd Socks Dayと言って、オッド ソックス(ばらばらの靴下)を履いて登校する関連チャリティイベントの日でした。 左右違う靴下には「ひとりひとりの違いを尊重しよう」というメッセージが込められています。このキャンペーンは2017年にNational Children's Bureauの組織 Anti-Bullying Alliance

      • イギリスの絵本棚から - 'If all the world were' by Joseph Coelho & Allison Colpoys

        2020年の春、日本にいる祖父が亡くなりました。私をとても可愛がってくれた、厳しくも温かい、大好きな祖父でした。 その年の夏、ロンドンの本屋で5歳の娘に絵本を選んでいたときこの表紙が目にとまりました。おじいさんと、孫と思われる小さな女の子が手をつないでいるイラストです。最初の数ページをぱらぱらめくると2人のほのぼのした交流の様子がとても美しい色彩とタッチで描かれていました。残りは家で娘と読むときのお楽しみにしよう。私は深く考えずにその本を他の数冊と一緒にレジへ持っていきまし

        • イギリスの小学生男子 座談会 その2

          Books to Read 今どきのイギリスの小学生たちはどんな本を読んでいるのでしょう。とっておきの1冊を選んでもらいました。※取材は2019年7月に行ったものです。 サーシャ ハル(筆者の息子) ルーク アレックス イギリスの11歳が友だちに薦めたい1冊 - では、ここからはみんなのベストブックを教えてください。時間の都合で、簡単に紹介していってもらう形になりますが。よろしくお願いします。では、サーシャから。 サーシャ:ぼくのおすすめは 'Bob No Or

        子育てを通して感じた英国のエシカルマインド

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        • 21世紀イギリスの、子どもの育て方
          10本

        記事

          イギリスの小学生男子 座談会 その1

          Prep School Life 多忙な毎日を送るプレップスクールの生徒たち。通っている学校の授業、終えたばかりの受験のこと、などなど。ロンドンの現役小学生4人に聞きました。日本との違いや共通点が垣間みれるトークです。※取材は2019年7月に行ったものです。 サーシャ ハル(筆者の息子) ルーク アレックス   以上、同じ学校に通う11歳の仲良し4人組です。  水泳の授業ー 貴方たちの学校では年間を通して学校の屋内プールで水泳の授業が行われていて、毎年この時期に

          イギリスの小学生男子 座談会 その1

          イギリスの学校教育とぬいぐるみ

          Teddies at School 以前、9歳の息子が通っているロンドンの小学校から「修学旅行にぬいぐるみを1つだけ持ってきてもよい」という通達があったことをTwitterで紹介したらとても反響があったので、イギリスの学校でぬいぐるみが果たしている役割について、ここでもうすこし詳しくお話しすることにします。 イギリスでは、ぬいぐるみ全般のことをよく「テディ(Teddy)」と呼びます。「テディベア」を略した言葉ですが、必ずしもクマのぬいぐるみを指すわけではありません。テディ

          イギリスの学校教育とぬいぐるみ

          ミセス フレッチャーの読書クラブ 後編

          Mrs Fletcher's Book Club ー 今日はお時間ありがとうございます。息子は家でミセス フレッチャーのことを「スーパー ライブレイリアン」と呼んでいます。「本のことを何でも知っていて、どんな質問にも答えてくれるし、いろんな面白い本を勧めてくれるんだよ!」って。読書クラブは毎回楽しそうに通っていました。本当にありがとうございました。 そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。私の読書クラブのメンバーは、今年、彼みたいに他の学校に移る子が多くてさみしいです。

          ミセス フレッチャーの読書クラブ 後編

          ミセス フレッチャーの読書クラブ 前編

          Mrs Fletcher's Book Club 息子が小学5年生に進級する数日前に1通のメールが届きました。それは息子への「読書クラブ」のお誘いでした。差出人は小学校の図書館司書、ミセス フレッチャー。なんでもクラブのメンバーは2週間に1回、授業が始まる前の早朝あるいは放課後に図書館に集まり、毎回違うテーマで1時間かけて本にまつわるディスカッションをするとのこと。さらに文末に「当メールは一部の生徒にのみ送信しています」とあり、息子の学年の招待された生

          ミセス フレッチャーの読書クラブ 前編

          プレップスクールのマナーの教え方

          'Show your good manners.' 家の引越しにともない、息子は8歳から私立のプレップスクールに編入し3年間通いました。それまで通っていた、おおらかな公立の小学校とは異なる厳しいマナーに最初はびっくりしたようでしたが、徐々に慣れて新しい学校生活を楽しんでいました。 プレップスクールは、もともとはパブリックスクールへの進学を準備する13歳までの男の子が通う男子校で、現在も低学年からマナーを徹底的に習得させようとする伝統が残っています。 同じプレップスクール

          プレップスクールのマナーの教え方

          イギリスの学校教育を知るための基本用語

          イギリスの学校教育にまつわる基本用語をまとめました。今後も随時追加していきます。イギリスは、北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イングランドの4つからなる連合国です。義務教育は、北アイルランドでは4歳から、イングランドとウェールズとスコットランドでは5歳からと定められています。筆者はイングランドのロンドン在住で、記事は主にロンドンの教育事情について書いています。 ステートスクール → 公立学校の総称 プライベートスクール / インディペンデントスクール → 私立学

          イギリスの学校教育を知るための基本用語