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イギリスの学校教育を知るための基本用語

イギリスの学校教育にまつわる基本用語をまとめました。今後も随時追加していきます。イギリスは、北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イングランドの4つからなる連合国です。義務教育は、北アイルランドでは4歳から、イングランドとウェールズとスコットランドでは5歳からと定められています。筆者はイングランドのロンドン在住で、記事は主にロンドンの教育事情について書いています。


ステートスクール → 公立学校の総称

プライベートスクール インディペンデントスクール → 私立学校の総称

ナーサリー → 幼稚園

プライマリースクール → (4歳から7年間通う)公立の小学校。義務教育は5歳からのため、それまでナーサリーにとどまる子どももいるが、最近では稀。

リセプション → プライマリースクールの最初の学年。日本では幼稚園の年中に相当するが、イギリスではリセプションから「スクール」にカテゴライズされる。2年目はYear1、3年目はYear2と続く。プライマリースクールの最終学年はYear6。

セカンダリースクール → (11歳から通う)公立の中高。最初の学年はYear7。

プレパラトリースクール → 略してプレップスクール、プレップ。もとはパブリックスクールへの進学を準備する13歳まで男の子が通う私立男子校だったが、最近は共学も存在し、13歳まで在籍せずに、11歳の時点でグラマースクールや他の18歳まで通える私立学校へ移る生徒も増えている。

グラマースクール → (11歳から通う)公立の中高の進学校。ロンドン中心部にはほとんどなく、都心から離れた場所に点在している。授業料が無料のため入学試験の競争率が高い。学校によって、1次試験のみのところと、2次試験も設けているところがある。

ボーディングスクール → 私立の全寮制の学校。自宅生と寮生の両方がいる学校もボーディングスクールに分類されることがある。

パブリックスクール → 16世紀、イギリスで「貧しい出自の奨学生のための学校」がたくさん作られたのがパブリックスクールの起源。パブリックスクールは時代の流れとともに、授業料が高額な私立の進学校へと変わっていった。現代のイギリスでは、イートン、ハーロウ、ウィンチェスター、ラグビー、セントポール等のごく限られた私立学校の俗称。過去に「パブリックスクール」と呼ばれた学校は、2019年現在ほぼ全てがイギリスのHMC(学校長連盟)に学校長が加入しているため、 HMCに名を連ねる学校 = パブリックスクール と思われがちだが、どの学校も決して自校を「パブリックスクール」とは形容しない。

ISEB プリテスト → イートンやハーロウを始めとする私立のトップスクールが設けている入学試験の最初の関門で、実際に入学する3年前の、6年生に進級して間もない頃に受験する。プリテストに合格した受験者だけが、2次試験、面接へと進む。

イレブンプラス → 11+と表記する。11歳から通う学年の、私立学校の入学試験のこと。11+の入学試験は多くの場合、入学する年の1月に行われる。学校によっては2次試験や面接を行うところもある。

アカデミックスカラシップ → 私立学校の入学試験の際に成績優秀であった受験者のみが得る奨学金。返済不要。試験の合格とともに学校側から通知される。学校によって条件(人数枠や額)が異なる。保護者の収入に関係なく受け取ることができる。11歳からを対象としている学校が多い。

バーサリー → アカデミックスカラシップと並んで、イギリスの多くの私立学校が設けている奨学金制度の一種。返済不要。入学試験の成績と保護者の収入から金額が算出され、保護者に一定額以上の高所得がある場合は選外とされる。11歳からを対象としている学校が多い。

ハウス システム → 公立私立に関わらず、イギリスの子どもたちが通うほぼ全ての学校が採用しているチーム制。生徒は入学すると同時にハウスと呼ばれる複数のグループに分けられ、卒業まで所属するハウスが変わることはない。学内のスポーツ競技ではハウスごとに競い、得点を争うのがならわし。

Text by Ayako Iseki 

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