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イギリスのいじめ撲滅への取り組み 

Odd Socks Day

イギリスで毎年恒例のAnti-Bullying Week(いじめ撲滅週間)がスタートしました。初日の今日はOdd Socks Dayと言って、オッド ソックス(ばらばらの靴下)を履いて登校する関連チャリティイベントの日でした。

筆者の娘(7歳)の足元。レインボー柄やラメ入り、リボンが沢山ついた靴下を履いてきた生徒も。
授業ではオッドソックスのお絵描きタイムがあったそうです。

左右違う靴下には「ひとりひとりの違いを尊重しよう」というメッセージが込められています。このキャンペーンは2017年にNational Children's Bureauの組織 Anti-Bullying Alliance が始めて以来、教育現場だけでなく職場でも試みる会社が増え、着々と国内で広まりつつあります。

Anti-Bullying Allianceのウェブサイトには次のように書かれています。

「オッド ソックス デーは楽しむためのもの。人々が(好きな靴下を組み合わせて)自分自身を表現したり、個性って素晴らしいねと讃えたり。私たちをユニークなものにしてくれるイベントです。」 

日々の生活で同じペアの靴下に慣れていると、左右ばらばらで履いた時にとても違和感を感じます。けれどもこの違和感こそがキャンペーンの狙い。「揃っていないこと」を個性の違いと重ねて、それを受け入れてみようという心理的アプローチです。

イギリスではほとんどの小学校が制服を導入しており普段は指定の靴下がありますが、娘の小学校でも毎年この日は左右違うものを履いて登校するよう呼びかけがあります。強制参加ではないためいつもの靴下で登校してくる子もぽつぽついますが、大多数の生徒がこのイベントを前向きに捉え、楽しそうにめいめいの靴下を履いて1日を過ごします。(そして先生陣の靴下も見どころのひとつ!)

Odd Socks Dayのアクションは、心身ともに成長過程にある子どもたちに「誰かと違っていても心配しなくていいんだよ」という安心感を与える役割もあります。社会の未来を担う彼らが、幼い頃からこのようなキャンペーンに触れることは、きっと大きな意味があると思います。

Text - Ayako Iseki

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