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中学生の頃ブラック部活に所属していた話


以前の記事でも書いたように、中学生から吹奏楽部に所属していて今も地域の吹奏楽団に所属している。
今の中学校がどうかは知らないが、とりあえず3年生の夏まではみんな何かしらの部活に所属していなければならなかった。
保育園からの友達といろんな部活を見学して、美術部で先輩が大きな初音ミクのイラストを書いて誘惑してきたがなんだかんだ吹奏楽部を選んだと思う。
私はぶっちゃけ帰宅部が許されるなら帰宅部がよかったし、体験入部も終わって仮本入部(意味不明だけど、本入部より前の段階はそういう名前だった)のときに軍隊みたいな基礎練習を見せられて「逃げるなら今のうちだ」と新入生一同に顧問が言い放った。逃げられるなら逃げたかった。


吹奏楽部あるあるだと思うが、ウチでは常に全力の声量で返事をしなければならなかった。返事は必ず「はい」だ。某ドキュメンタリーで「いいえ」と声を張り上げてる学校もあったがウチは否定の時は返事はしない。なお返事をしないなら肯定になる。この返事問題は私たちが2年生になった頃には、「あい」と発音が悪かった時や「はーい」と伸びたりするのは指導の対象になった。


そして顧問が上級生の人格を否定して、上級生が後輩の人格を否定して…というパワハラ無限ループが起きていた。練習中に「死ね」と言われたり物を投げつけられるなどはザラだ。中には抑うつ症状?が出て過呼吸になって倒れたり不登校になったりする子もいた。私の代の子も2人不登校になって、家に悩みを聞きに行ったりした。私自身「今から自殺して顧問を困らせてやる」と親の前で何度も発狂した。ある日「あんな体型(150kg台だったらしい)なんだから、あんたが自殺したくらいでは困らないよ。」と言われ踏み止まったが私が発狂する度に母は本当に困った声で学校に電話していた。本当に申し訳ない。


服装チェックで引っかかった子、単純に楽器がちょっと下手な子、返事が小さい子、なんか気に食わない子とかを締め上げるミーティングとかもあり凄く嫌だった。私たちが後輩を締め上げなければならない日も来て、みんな泣いていた。私は本当に嫌だったのでその場ではなるべく喋らないようにして自分の同じパートの子が締め上げられた日はあとでこっそり励ましておいた。後輩たちに今会って喋ることが許されるならまず謝りたい。


これらは本気で無駄なことだしまさか令和の時代にもなってそれをやってる学校があったら今すぐやめるべきだ。この記事を運良く中高生が見たならば一度日頃の部活を振り返って欲しい。そしてできることなら楽器に1分でも多く触って欲しい。元音大生が言うんだから。(吹奏楽部では楽器の上手い下手が全てで音大生となると時には顧問より地位が上がるのでw)←このことはまた書く。 

その中学校の3年間で、大会で結果を残せたことよりも未だに忘れられないことがある。
その日は先輩たちが引退し私たちの代の部長に引き継がれて、「今期のスローガンを決めよう」という日だった。それも半日くらいミーティングをしてた。(楽器に触れろ)
無事に決定したスローガンを大きな字で部長が黒板に書いた。すると顧問はすかさず
「お前字汚ねえな〜」と言ったのだ。今文章に起こしただけで不愉快になるが、これくらいではびくともしないくらい私たちは麻痺していた。
すると、同級生の友達Kちゃんが「あんなこと言ってるけど先生のが汚いよね」とこそっと私に言ってきたのだ。私も同じ気持ちだったので「言ってやればいいじゃん」と軽い気持ちで言ったがそれが間違いだった。


Kちゃんは立ち上がり顧問のところに行って「先生の字の方が汚いですよ。そんな風に自分のことを棚に上げて極悪人ですね。」と言った。
顧問は私たちの想像の100倍くらい怒りKちゃんの首を掴んで音楽室から追い出した。どうやら極悪人と言われたのが相当癪だったらしい。極悪人の証拠だ。
副部長が慌ててKちゃんのところに行ったがKちゃんも完全に取り乱しており、爆笑しているのか泣いているのかそのどちらもというのか大声を出していた。
私は「やってしまった。」と思った。二人で「本当だよね〜」で済ませておけばどれだけ良かっただろう。私もかなり怖かったがKちゃんはもっと怖い思いをしただろう。10年以上経過したが未だにKちゃんに会うと謝ってしまう。


その後、気が強いタイプの女子であったKちゃんのお母さんを中心に保護者たちが顧問に抗議してKちゃんに詫びさせることに成功したが、顧問も反省しているようには見えず「謝れと言われたので謝ります。」と言う空気を全面に出してきたとKちゃんから聞いた。
それとの因果関係はわからないが、顧問はその後ノイローゼとのことで時短勤務になった。「いやお前が病むのかよ」と部員全員で言った。

私たちが3年生になるのと同時にその時副顧問だった先生が新顧問になり、何年かぶりに上の大会に進むことができた。
返事練習や無駄な締め上げは完全になくなることはなかったが、前顧問よりかは道徳的だった先生だったため部活内のカーストが「副部長>部長≧顧問=ヒラの3年生>2年生>1年生」となったことで練習に笑顔が帰ってきた。
私たちを集めて「あんたたちの代でウチの部活は終わりだ」「あんたたちの全力って何?それも語れないやつが全力でやるとか言うな」(今の私も語れない…)とパワハラ会議をした先輩たち、Kちゃんを追い出した前顧問、このパワハラ体勢を作ったと思われる前々顧問などからお祝いが届いた。本当に気分が悪かった。


私たちが上の大会に進むことでお前らの弾圧によりKちゃんと不登校になったAちゃんSちゃんとそのお姉さん、それより前の全然知らない先輩たちの苦しみは全て無駄だったと証明されたのに、よくそんな平気な顔をしていられるなと思った。
なおその副作用で某ドキュメンタリー番組がすごく嫌いだ。大会で結果を残せた瞬間や正当な理由で怒られている場面以外で生徒が泣いてると虫唾が走る。顧問のことを「神」と言ってる場面なんかそのまま泡吹いて倒れるほど嫌いだ。

私が部活で学んだことは、下級生・後輩を迫害してはならないこと、世の中には無駄なことで溢れかえっていること、仲間がいれば理不尽に立ち向かえることである。

追記・高校時代編も書いた。

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