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読書感想文の回「マリエ」

2024年2月7日(水)

読書感想文…何冊も書いてないのがあるなぁと思ったついさっき。
ということで、今日は思い付きでちょっと読書感想文を書いてみます。
最近再読した「マリエ」と「星を編む」
どちらにしようかなぁ…と悩んだんですが、今日は「マリエ」の方を書いてみることにします。


「マリエ」千早茜著 を読んで

こちらは恋愛小説です。私が苦手というか、最近まで手に取ってこなかった恋愛小説です(笑)
恋愛小説は本好きの会をきっかけに読むようになったのですが、コテコテの恋愛小説は多分登場人物に共感できないとか、シチュエーションを想像できないとかの理由で読み進められないんじゃないかって勝手に思っていて、今でも読もうという気にはならないのですが、本好きの会の課題図書になる恋愛小説は今のところ「コテコテ」ではなく恋愛の他にテーマがあるおかげで面白く読むことができています。食わず嫌いって良くないですね(笑)
恋愛小説…選べば面白いです!

「マリエ」は恋愛そのものの他に、婚活にまつわるあれやこれ、小さな女性差別、食べ物や香りのことなんかも織り交ぜられていて面白かったですねー。

さて、内容を語るにあたって恒例のAmazonから引用したあらすじを…

「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
新直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。

桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。

「あんたもこれから恋愛できるわね」、行きつけのワインバーでよく遭う年かさのかっこいいマキさんはそう言うが、まりえにはその気はない。駆け引きも探り合いも億劫だし、今のからだを見せる羞恥が性欲を上回る。なにより、すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないのだ。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。

ひょんなことで懐いてきた由井君が粉料理を教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、物事の受け止め方に7つの歳の差を感じるばかりだ。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録をした。そこで見聞きする世界は、思いもよらないものだった。マリッジコンサルタントに、紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な「現実」や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、まりえは考え続ける。自分が人生に求める幸せとは何なのか。

若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。

Amazonより

まず、こちらの本…2回読んでいるのですが、1回目と2回目で印象が変わり、さらに先日の「マリエ&星を編む会」で他の人の意見を聞いていたら、いとも簡単にまたまた印象が変わるという…珍しく感想が二転三転した本でした。
まぁ、普通は読んで終わりのところ、今回は再読したことと、感想を他の人と話し合ったことで感想が変わったわけですから、やっぱり本は読んで終わりにするより誰かと感想を共有するのっていいですね。

まず印象が変わった人…第一位は森崎ですね。あらすじにある通り、「恋愛がしたい」という理由で離婚を切り出してくるあたり…「は?」ってなるじゃないですか。まりえのことが嫌いになったとか、まりえが浮気したとかましてや自分が浮気しているわけでもなく、「恋愛がしたい」という気持ちだけで?…なんて自分勝手な奴だ!って思いました。
少しネタバレですが、この森崎は離婚した後もなんてことない事で連絡をしてきたり、ホントに何を考えているのかさっぱりわからない人で、離婚したなら前の奥さんとなんて縁を切ればいいのに「あけましておめでとう」とか送ってくるんですよ。復縁したいのかと言えばそんな風でもないし、だとしても自分から離婚しようと切り出した相手にそれはナシでしょって思うし…とにかくこの森崎という人は理解ができなくて無理だなぁってのが第一印象。
この人に関しては2回目読んだ時もやっぱり勝手な人だなぁってのは印象が変わらなかったんですが…ちょっとだけひっかかったのが物語の終盤、まりえがコロナで自宅療養中、連絡しても返信のないまりえを心配して家まで訪ねてきた時に言ったセリフ…「正直、ちょっと試してみたかったようなとこはあったかも。結婚っていうかたちがなくても繋がっていられるのか」と。これ、1回目は全く理解ができなかったのですが、2回目は森崎の離婚の理由がこういうこと?ってなんか引っかかったんです。上手く言語化できなかったんですがね。

そのひっかかりは、先日の「マリエ&星を編む会」で、ストンと腑に落ちたんです。そして、あっという間に森崎って本当は馬鹿正直でちょっと要領悪いだけで、そんな悪い人じゃなかったんじゃないかという考えに変わりました。

こっそり不倫をする人がいる中で、わざわざ離婚をしてから恋愛をしようとしているあたり、本当は恋愛の相手はまりえでも良かった…というかむしろまりえと恋愛をしたかったのかも…結婚という縛りのせいで安心というか気を抜いているというか…そんな「愛情」からただの「情」になってしまった「家族」としてでなく、森崎の言葉通り「恋愛」をしたかったってことなんじゃないかって。これは、私と同い年の友達の発言でした。あの引っかかった台詞を上手く落とし込んでくれたんです。
そしたら、森崎が「訳の分からない自分勝手な男」から「馬鹿正直で純粋な男」に印象ががらりと変わっちゃいました(笑)←単純
彼女の眼は鋭い!そこまで読み解く読解力に恐れ入りました。

印象が変わった人第2位は…由井君。
7つも年下で懐いてくるかわいい男の子…2人のやり取りにおばちゃんだってちょっとキュンとしちゃうよ…ってイメージの1回目(笑)
2回目…あれ?なんかいろいろ上手く言い逃れているというか、まりえが言って欲しいことをわかっていて敢えて明言しないところ…ちょっとずるくないか?しかもかわいい男の子ってイメージだったけどよく考えたらこの人もう33歳…結構いい歳なのに、それにしては幼くないか?って思ったんです。
そして、マリエ会で話し合った時…やはりみんなが歳についてもっと若いと思っていたら33歳だったみたいな話をしていたんですが、本当に20代前半だったらこんな言い方はしないんじゃないかとか、やっぱりここは33歳だからじゃないか…みたいな話が出て、なるほど…ってなったり。
最終的には由井君との今後がどうなるか楽しみだねってなりました。

ま、2位までしかないんですがね(笑)

とにかく語りしろのある小説だなぁって思いました。
みんなで話したのは登場人物についてどう思うか…的な話が中心だったんですが、それ以外にも、タクシーの運転手が歳下の女性に向けてタメ口をきくことへの違和感とか、女性同士のちょっとザワっとする感情とか…その辺の話も掘り下げたら面白いだろうなぁって思いましたね。

あとメインのテーマ?である婚活…結婚や離婚って?独身のままでもいいと思うんだけど…
そんなことも改めていろいろ考えさせられましたね。

そして今読んでる本が「傲慢と善良」なんですが、これも婚活の話…「マリエ」がどちらかというと当事者同士の事情や感情の話で舞台は東京。対して「傲慢と善良」は親や世間体みたいなもっとドロっとした婚活の話で地方特有の背景もあるって感じですかね…(まだ半分くらいしか読んでないんですが笑)
Podcastの「真夜中の読書会」のバタやんさんがこの2冊を比べて読んでみると面白いですよ…って言っていた意味が少しわかってきました。

恋愛小説…意外と面白いです(笑)!
「傲慢と善良」も読み終わったら読書感想文早めに書きます!(努力します笑)

では、また明日。

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