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「ジェダイになれ」に偽りなし。STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー 感想

この記事は若干のネタバレを含みます。未プレイの方は「ストーリー」の欄には注意してね

はじめに

「ジェダイになりたい。」

 幼少期にスターウォーズのエピソード1~3を観て育った少年少女が誰しも思うことである。そんなノリのままに、傘をブォンブォン言いながら回してみたり、同じ志を共にする友と新聞紙セーバーで打ち合ってみたりするような元ジェダイ志願者は少なくないはずだ。
 敵をフォースで吹っ飛ばし、ブラスターの射撃を跳ね返す。そしてライトセーバーの使い手と鎬を削り、鍔迫り合いで熱さを感じる……

この2019年、そんな願望を叶え、我らをジェダイにするゲームがやってきた。

それでは「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」。紹介していきましょう。

 開発は「TITANFALL」「Apex Legends」で知られるRespawn Entertainment。壁走りのような独特の超スピードFPSとロボットアクションを融合させたTITANFALLシリーズと、突如彗星の如く現れたバトロワFPSのApexは遊んでいる方も多いはずだ。

 ジャンルはアクション・アドベンチャー。少なめな回復アイテムで(よく死につつ)敵を倒し、ボスと戦いながら進んでいく過程はダークソウルを彷彿とさせる。また、しょっちゅう挟まれる謎解きや、蔦や岩盤をよじ登る移動は近年のトゥームレイダーを思い起こさせる。これから、このゲームを構成するアドベンチャー部分とアクション部分、そしてストーリーについて書いていこう。

アドベンチャー


 移動アクションを駆使してステージを駆け、古代文明特有のやたら規模とパーツのでかいクソギミックを解く。移動に使うアクションは壁走り(ウォールラン)や二段ジャンプがある。特に前者の動きはTITANFALLそのものであり、習得時には思わずニヤリとしたパイロット諸君も多いだろう。
 壁登り周辺のアクションやパズルはトゥームレイダー等がリスペクトされている節があり、攻略情報一切なしで挑むとそれなりに時間を取られる。しかし一方で詰み防止のためかヒント機能もあり、それを使えば主人公は独り言で何か話すので、頼りにできる。
 謎を解く過程は親切だが、一度失敗したときに元の場所へ戻るのに手間がいるのが少し気になる。この点はフォースのロマンと移動の楽しさで補われている。

アクション

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー™_Moment


 ライトセーバー戦ができる!!!この点に今作の楽しさが詰まっていると言っても過言ではない。敵の攻撃はタイミングを合わせて防御することでパリィ(受け流し・弾き)が可能になる。この操作はSEKIROじみており、敵の攻撃を受け流して反撃に転じる流れをゲームに組み込んでいるため、非常に楽しい。ボスの攻撃を死にながら体で覚え、弾いた隙を突いて攻撃を行う。さらに、敵のブラスター射撃は反射して相手にお返しできる。そこでもジェダイ気分が味わえるぞ。(ちなみに、そのへんのストーム・トルーパーよりも原生生物の方が明らかに強い。まあストーム・トルーパーだし……)
 また、今作ではスキルツリー制を採用しており、その中にはジェダイとしての技が詰まっている。ライトセーバーを投げて攻撃する技、走っているときに自動でブラスターを弾く技など、いかにもな技が盛り沢山だ。もちろん生存率を高めるものも多数あるため、自信のないときにはそれを優先しよう。

ストーリー


 時代はエピソード3と4の間であり、アニメシリーズ「反乱者たち」を観ておくと話が分かりやすい(らしい。私は観ていないのだ)。しかし映画しか観ていなくても、「ジェダイはほとんどいないし生き残りもヤバい」とだけ覚えておけば済む。何しろプレイヤー側の視点でもそれしか情報がないからだ。

主人公カル

 主人公は元パダワン(半人前ジェダイ)のカル・ケスティス。色々あってフォースの力に制限がかかっているという、あまりにも貧弱なひよっこジェダイだ。先輩兼友人を助けるためにフォースをうっかり使った彼は、銀河帝国に追われることになる。そんな彼に元ジェダイのシア・ジュンダと腕利きパイロットのグリーズが手を差し伸べる。彼らからジェダイ・オーダー再建の計画を聞かされたカルは帝国と戦いつつ様々な惑星を巡ることとなる……(下画像はそれぞれダソミア、キャッシーク。いずれも過去作品に登場している)

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー™ (2)

キャッシーク1


 このように、エピソード4よりも3に近い時系列であることも手伝って、規模の大きなストーリーではない。この物語は逃亡生活を送ってきたカルと、ジェダイであることをやめてしまったシアの再起を描いている。自分の人生を後悔してきた彼らが再びライトセーバーを握り、フォースを操るための成長物語だ。

総評


エピソード3と4の間の暗黒時代の中、とあるパダワンが成長していく過程をトレジャーハンター的謎解きと電光剣戟アクションで描いた名作。ライトセーバー戦ができるボスの増量や、ボスラッシュモードがあればさらに良くなるはず。

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