ティモシー ポップ

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『マチアプでワンナイト?』

もう秋かと思ったら、なんとなく冬めいてきた11月初頭の金曜日、僕は大学構内でマッチングアプリから連絡先をゲットした「あみ」という通名の同い年の女の子とインスタのDMで話していた。この頃はその涼しさ改め肌寒さから、女の子も人肌の温さを求めるのだろうか、久しぶりにアプリでマッチした。 ところで僕は、交際相手を探すためにマッチングアプリに登録しているわけではない。大体の男子がそうだとは思うが、僕はワンナイトか都合のいい関係になれる女の子を探している。 僕は高校時代は男子校だった

    • 『四季』より『夏』〜ひと夏のアバンチュール〜

      第1楽章  6月上旬。僕は家を飛び出した。21歳実家暮らしの僕は、もうこんな生活はうんざりだって家出した。 もっと言えば抗鬱薬のクエチアピンが親にみつかり、鬱は甘えだの、言い訳だの言われたのが、引き金だった。 東京都から出よう。僕は自転車で走った。走って走って、パンクしたから自転車を捨てて歩いてどこまでも歩いた。 もう夕方になってしまった。 もう緑しか見てない。いや、これが順調なのかもしれない。 田舎のあぜ道を鉛のような足で歩く。井戸ポンプのレバーを最初に押すように。ずっと

      • 『彼女がコンカフェ嬢だったら』

        「お帰りなさいませ、ご主人様。本日もお待ちしておりました。」 とても上品とは言えないメイド服を着た女の子が、小太りなおじさんを出迎える。 「ルミちゃん、いる?」 ________________________________________ 「コーヒーか紅茶、何飲まれ…」 「ルミちゃん、シーバスハイボール。」 「マエシマさん、お酒はダメだって、お医者さんに止められたんじゃないの?」 「いいからさぁ。作ってよ。ボトル入れてるのに、なんでコーヒー紅茶なんだよ。」 「かしこまり

        • 犬のすべらない話

          初めてのnote投稿で『犬系彼女』という短いフィクションの物語を投稿させていただきましたが、今回それに関連して、ワンちゃんに関するすべらない話でもしようかなと思いました。 今回は2回目のnote投稿になります。 ところでいきなり別の話にはなりますが、なぜnoteを始めたかというと、僕はよく文章を書くのですが、それは構文を維持するためです。 構文っていうのは、総じて似たりよったりではあると思いますが、人それぞれその人自身の構文を有しており、話し言葉・書き言葉ともに、それを使わ

        『マチアプでワンナイト?』

          『犬系彼女』

          「お待たせワン🐶」 「お。おつかれー。」 「4限ちょっと長引いたワン。じゃあ今日はどこ行くワン?🐶」 「んー。どうしよっかな。」 「決めてなかったワン?🐶」 「うん。まぁ、とりあえずいつもの喫茶店行こう。橋本珈琲。その後どうするかは、そこで考えよう。」 「分かったワン!🐶」 僕の彼女は犬系彼女だ。犬系彼女といっても、俗に言う犬系彼女ではない。某SNSで少し前にバズった、かの有名な犬系彼女を遥かに凌駕する犬系彼女だ。というのも、彼女は犬を自認しており、人間ではないと言うのだ。