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妙にラーメンが食べたい
ドラマ「ドラゴン桜」を見るようになってから、妙にラーメンが食べたくて仕方ない。
「なんのこっちゃ?」という人のためにざっくり説明すると、毎週日曜日に放送されている「ドラゴン桜」という高校を舞台にした受験ドラマの中で、教師(弁護士)の桜木(主人公)や生徒たちが、生徒のラーメン屋でラーメンを食べるシーンがやたらと出てくるのだ。
ラーメンというとカウンターでサッと食べる、というイメージなので、子供達を連れて家族5人での来店はさけたい。となると、平日、子供達が小学校に行っている日のお昼ごはんに食べることになる。
「じゃあ、食べたらええやん」って話なのだけど、これがそうもいかない。
なぜかというと、どうしてもどうしてもラーメン店に1人で入れないからだ。
回転寿司は1人で入れる。
レストランも高級でなければ大丈夫。
トンカツ屋も、ケーキ屋も、焼き肉屋も、1人で入れる。
なのに、なぜかラーメンだけはだめなのだ。
大学生の頃、18切符を使い、バックパックを背負って1人で九州をぶらぶらした。あてもなく、翌々日くらいまでのユースホステルを予約しつつ、気になる場所に寄りながら、鹿児島の指宿まで行き、ぐるっと1周した。
ユースホステルではだいたい朝食だけを付けていたので、夜ごはんは外で食べた。1人部屋の時は、外で買ってきて部屋で食べることもあった。まだ学生なので、グルメでもなんでもない。食事にお金を使うより、できるだけ節約して旅行の費用にまわしたい。
しかし、どこだったか、海沿いの街にいるときに、どうしても地元で有名な魚が食べたくなった。さすがに回らないお寿司は敷居が高いので、比較的入りやすそうな回転ずしに入ることを決めた。
当時はまだ、回転ずしは今ほど身近でもなく、利用したことはほぼなかったと思う。どんなところか、システムもよく分からない。しかも、中にいるのは家族連れや友人同士など、グループばかりだ。
どうしようかと、回転ずし店の周りを1人で20分くらい、行ったり来たりしながらグルグルしていた。
今の私なら、別にシステムが分からなかったら聞けばいいし、他の客の目線なんて気にならない。どうせ関西の実家から、はるか遠くの九州。なにかへまをしたって、もう一生会わない人ばかりだろう。
しかし当時の私はまだ20歳!
人の目線が最高に気になる歳である。だれも見てないのにね…。
結局、おいしい魚を食べてみたい欲求にあらがえず、ついに回転ずし店に入った。入ってみると、なんてことはない。魚もおいしかった。
この一件があってから、1人での外食もそれほど気にしなくなった。私のおひとりさま外食を変えた、1つの大きなきっかけとなる出来事だったと思う。
話を戻すと、「それならラーメン屋だって入れるでしょ」となりそうなのだけど、それがやっぱりダメなのだ。どうしてだろう?
しかし、私の「1人でラーメン店に入れないから、ラーメンが食べられない」という悩みは、思ったところでほぼ解決されることになった。
どうやって?
答えは簡単。コロナの状況が悪化して、夫のテレワーク率がまたぐっと増えたから、お昼に一緒にラーメン屋に行けるようになったのだ。夫がいれば怖いものはない。食券も夫に買ってもらい、水もいれてもらう(水ぐらいいれろって?)。
さすがに夫も毎日外に食べには行けないけれど、私もラーメンを毎日は食べなくてもいいので、今のところ、なかなか満足できる頻度でラーメンを食べることができている。「ドラゴン桜」もあと2回の放送で最終回なので、私のラーメン熱も、もうじき落ち着くだろう。
しかし、次に私の中にラーメンブームが来る前に、1人で入れるラーメン店を確保しておきたいところだ。夫がテレワークのうちに、一緒に行って、慣れておかねば。
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