あまいレモネード
今朝、生理が来た。そろそろ生理が来るなぁとわかっていながら、
昨夜は少し夜更かしをしてしまった。
生理前はできるだけ体に優しくしようと心掛けていたのに。
外出自粛が始まってジムを休会してから、自分の身体に気遣うことを忘れがちになっている。
身体を気遣えなくなってからは、心の声にも無頓着になっている(きがする)。
今朝、起きた瞬間から体がだるくて、うーん、なんとも具合が悪い。
家の中を歩き回ったりベットに横たわったりする私を横目に、相方のヒロさんは、
「どうしていいのか分からないから、なにか必要なことがあったら言うてなぁ」とゆるい感じ。
とにかくお腹もいたいし、動きたくない。じっとしててもしんどいし、動いていてもしんどい。
これはあかんやつやな。バファリン飲むしかないか...。
と考えながら、痛みと会話すること数分。
バファリンを飲むにしても、食事してから服用ってパッケージには書いてあるし、
仕方なく食欲もほとんどないけれど、お粥をチンして食べることにした。
お粥を食べ終えて数分後、猛烈な吐き気に襲われて、トイレに駆け込んだ。
”あぁ、ほんまに今日はどうかしている。具合の悪さがここ数年で最もひどい。”
動悸とあぶら汗が止まらなくなって、とっさにトイレからヒロさんを呼ぶ。
「ちょっと具合悪すぎる。袋持ってきてほしい」と。
ヒロさんはトイレから少し遠いキッチンにいた。
「えー?なんてー?今レモネード作ってるからまってなぁ!手が離せへんねん」とゆるい感じ。
あかんわ。ほんまにあかん。何がレモネードやねん。それ今やらなあかんことかいな。
と思っていても仕方ない。ヒロさんが来るのを待つ。
袋を持ってやってきてくれた。
ギリギリ間に合った。私はさっき食べたばかりの卵がゆを全部もどしてしまった。
こんな時、自分が情けなくて、涙が止まらなくなる。こんな時、ゆるい相方でも、一人じゃなくてよかったと思う。
自分の身体なのに自分でコントロールできないのが情けない。
***
ジムに通い始めて、生理痛が解消した話は前にも書いた。
自分の心と体をコントロールできるようになったのを実感して、「私は今後、生理痛に悩まされることなんてない!」と思っていた。
だけどそんなのは幻想だった。
やっぱり、運動をさぼれば、こうも簡単に体は元に戻ってしまうんだと知った。
運動をすれば生理痛は軽減できる。うまくいけば生理痛も生理前の落ち込みも全くない状態にまで持っていける。
それを知って、1年近くジムに通い続けてきた。身体の調子がめちゃくちゃ良かった。
だけど一度痛みを忘れた体に甘んじていたら、
結果としてこれまで以上にひどい生理痛を迎えることになってしまった。
1年ぶりのバファリンを手にする。箱は埃をかぶっていた。本当は頼りたくないけれど、どうか今日は力を貸してほしい。と、しぶしぶ1粒口にする。
ベットに横になって、気が付けば眠っていた。ヒロさんがレンジでチンしたあずきの袋を持ってきてくれ、ゆたんぽをこしらえたりしてくれて、布団の中はとても暖かかった。
***
目が覚めて、今朝の一連のことを振り返りながら、やっぱりショックだった。1年もかけて築き上げてきたことでも、こんなにも簡単に崩れちゃうんやなと思うと、悔しかった。
そんな話をしていると、ヒロさんが言った。
12回に1回つまずいただけやん。大丈夫、また楽しく運動しよう?
これまで20年以上、いろんなことを無理して、我慢してやってきたんやとおもうねん。心も体もギリギリだったのに、これまで体が悲鳴を上げなかったのが奇跡やと思う。
その何年もの負債はたった1年じゃチャラにできひんかったってことやね。
勝つか学ぶかやねんから、「運動って大事やな」って再確認できてよかったやん。
何度拭っても仕方がないくらい涙があふれた。
***
レモネード作ったよ、飲んでみる?
酸っぱいのを覚悟していたけれど、とてもやさしい味がした。
ヒロさんの手作りレモネードは、あまくてとってもおいしかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?