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スウェーデンを旅して見かけた車

15年前、スウェーデンを旅している時にさすがだなと思った。

本場の国の車がたくさん走っている。

そう、ボルボ(VOLVO)である。

ボルボは、日本にもディーラーがたくさんあるし、昔から根強いファンも多い。だから、特に車に興味がない人でも一度は目にしたことがある人は多いと思う。

そしてまた、サーブ(SAAB)という車もボルボに負けじとよく走っているのを見かけた。

サーブとなると、日本では滅多に見ることがない。少なくとも、僕は日本で走っているのを見かけたことがなかったし、今でもない。

実を言うと、僕はスウェーデンを旅して初めてサーブという車を知った。僕がヨーテボリ滞在中に偶然知り合い、親切に持てなしてくれた少し風変わりなジミーという大学生は、

 「僕は、ボルボよりサーブの方が好き」

と話していた。

このサーブのメーカー経歴はユニークだ。もともと、戦闘機などを造っていた軍需用メーカーで自動車部門ができたのは第二次世界大戦後である。

日本の自動車メーカーで言えば、もともと航空機のエンジンを手掛けていたスバル(SUBARU)がこの点で似ているかもしれない。

レガシィーやインプレッサなどといった名車は、今でも強烈なファンがいる。そうした彼らは「スバリスト」と呼ばれた。

話が少し逸れるが、僕は仕事で軽トラや中型トラックを何台も乗り回していた時期がある。(決して暴走はしていない)

その中でも、スバルの軽トラ「サンバー」は、アクセルを踏み込んだ時の馬力といいエンジン音といい、他の軽トラと違ってハンドルから全身に伝わってくる感覚が一味違っていたのだ。だから、僕はサンバーが大好きだった。

サーブも戦闘機や戦車を作るほどの技術力を持っている。だから、私はサーブのエンジンが好きなのだ、というコアなファンがきっといるに違いない。

さて、ボルボである。これもまた幸運ながら、僕は今にも壊れそうな中古のボルボを愛車にしていた時期がある。(実際、壊れてしまったが)

ボルボといえば「世界一安全な車」という印象が強い。実際、そうだろう。ボンネットを開け閉めしたり、コンコンと叩いたりすると、「あー、これは間違いなく強いだろうな」という不思議な手応えがある。決して誇張ではない。

だから、この国のタクシーのほとんどがボルボであるし、ファミリーカーとしても人気が高い。そして、旧型ボルボになればそのレトロなルックスに惚れ込んだファンも日本に大勢いる。

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(2006年 スウェーデン・ストックホルムにて)


今では誰もが車に乗ればシートベルトを締める。車に装備されている「3点シートベルト」だが、これはボルボのエンジニアだったボーリンが開発したものだ。

そして、ボルボはこの安全性の高い「3点シートベルト」の技術をいち早く世界に広げて欲しいという願いから特許を取らず、無償公開したのだ。

この話は、ボルボファンの父から教えてもらった。

なんだか、この実話を聞くだけでも、ボルボという会社を生んだこのスウェーデンという国が素敵に思えてくる。

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